相続時精算課税制度のデメリット 第250回

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相続時精算課税制度とは、原則、60歳以上の父母又は祖父母から、20歳以上の子又は孫に対し、財産を贈与した場合において選択できる贈与税の制度です。

相続時精算課税は、受贈者が贈与者ごとに選択できます。しかし、いったん選択すると選択した年以後贈与者が亡くなる時まで、暦年課税に変更することはできません。これが最大のデメリットです。相続対策では暦年贈与が最も効果的です。その暦年贈与が適用できなくなります。

そうはいっても、時と場合によります。例えば、相続が発生した場合に、揉めることが予想されるような場合、贈与者がある相続人に渡したいと思っている資産について、事前に相続時精算課税制度を利用して贈与することは充分に考えられます。

揉めないためには、他に遺言書を公証役場で公証人によって作成しておくこともありますが、遺言書の作成が面倒という方もおられます。その場合、相続時精算課税制度を利用して贈与しておくと、所有権移転登記もなされていますので、その物件については揉めようがありません。

相続時精算課税制度による贈与税の額は、贈与財産の価額の合計額から、2,500万円を差し引いた金額に、一律20%の税率を乗じて算出します。

相続が発生した場合、相続時精算課税の適用を受ける贈与財産の価額と相続等により取得した財産の価額とを合計した金額を基に計算した相続税額から、既に納めた相続時精算課税に係る贈与税相当額を控除して算出します。

相続税額から控除しきれない相続時精算課税に係る贈与税額については、還付を受けることになります。相続財産と合算する贈与財産の価額は、贈与時の価額となりますので、地価が上昇する見込の土地については早めに価額を確定することができるメリットもあります。

相続時精算課税制度では受贈者ごとに選択できますので、複数人から贈与を受け、各々相続時精算課税制度を選択すれば、それぞれについて2,500万円控除して、贈与税額を計算します。そして、相続時の精算となります。

※投稿時の法制度を基に記載しております。詳しい内容については当方にご相談ください。

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