「暦年贈与」改正の見送り 第271回

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令和4年度税制改正大綱が公表されました。今回の改正では「暦年贈与」が廃止されるのではとの噂が流れていました。複数のお客様から「暦年贈与」の廃止について問合せを受けていました。現状の「暦年贈与」では相続発生前3年間に行われた贈与は、相続税の対象となると、通称「持ち戻し」と呼ばれる規定があります。

一部週刊誌では、今後はこの持ち戻し期間が3年から15年に延長される可能性があるとしていました。持ち戻し期間が15年となると今さら贈与しても手遅れというアキラメの雰囲気になってきます。将来的には「暦年贈与」そのものが廃止されるのではと予想しています。

今回の税制改正大綱を見ると、資産課税のうち、相続税・贈与税については住宅取得資金の贈与税の非課税措置が2年延長になったのみの改正です。あれだけ話題になっておいて肩透かしを食らったような感じです。少なくとも令和4年は「暦年贈与」が認められることになります。ただし、税制改正大綱の「基本的考え方」には、

「今後、諸外国の制度も参考にしつつ、相続税と贈与税をより一体的に捉えて課税する観点から、現行の相続時精算課税制度と暦年課税制度のあり方を見直すなど、格差の固定化防止等の観点も踏まえながら、資産移転時期の選択に中立的な税制の構築に向けて、本格的な検討を進める。あわせて、経済対策として現在講じられている贈与税の非課税措置は、限度額の範囲内では家庭内における資産の移転に対して何らの税負担も求めない制度となっていることから、そのあり方について、格差の固定化防止等の観点を踏まえ、不断の見直しを行っていく必要がある」

としていますので、「暦年贈与」は遅かれ速かれ見直されるようです。出来るうちにしておきましょう。

 

※投稿時の法制度を基に記載しております。詳しい内容については当方にご相談ください。

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