第70回「パナマ文書の衝撃」

IMG_3466元気ですか! 福岡の公認会計士・税理士の山崎隆弘です。

各国首脳や親族らがタックスヘイブン(租税回避地)を利用していた実態を暴いた「パナマ文書」が世界を揺るがせています。

パナマの法律事務所「モサック・フォンセカ」が約40年にわたり設立に関与したペーパーカンパニーは21万社。1100万を超える内部文書には世界の指導者や著名人の名が並んでいます。

アイスランドのグンロイグソン首相は、妻と共同名義のバージン諸島の会社を通じて巨額投資していた事実が暴かれ、辞任に追い込まれています。

英国のキャメロン首相は、当初は否定していました。4月7日に過去の投資の事実を認め、首相官邸前で大規模なデモが発生しています。

パナマ文書ではロシアのプーチン大統領の友人、中国の習近平国家主席や最高指導部の親族らの租税回避地とのつながりも指摘されています。

何よりも、日本の東証上場の上位50社のうち45社がタックスヘブンを活用して、ケイマン諸島だけでも、55兆円の課税逃れをしています。米国に次いで世界第2位となっています。

2015年の消費税税収は17.6兆円ですので、それの3倍もの金額です。日本で「パナマ文書」がほとんど報道されないのは、電通が「パナマ文書」に出ているため、電通からテレビ局に圧力が掛けられているのではとの声もあります。

ところでタックスヘイブンの指標として、1つ目に無税、あるいは極めて低い税率であること。2つ目に法的な規制がまったくないか、極めて緩いということ。3つ目に透明性の欠如とされています。

個人、中小企業には広く厳しく課税され、富裕層・大企業は実は税金を逃れているということであれば、ますます貧富の差が広がっていきます。報道の行方を注意深く見守っていきましょう。

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