『税務署対策 最強の教科書』 第225回

その他

元気ですか! 福岡市天神の公認会計士・税理士の山崎隆弘です。

元国税調査官の大村大次郎さんの『税務署対策』を読んでみました。お客様の税務調査を毎年3~5回受けていますので、今さら、そうそう知らないこともないだろうと思っていましたが、知らないことも多々ありました。

基本的なところでは、通常の税務調査は任意調査となります。任意調査ということは納税者の同意が原則となります。その一方で、調査官には「質問検査権」があり、納税者には「受忍義務」があります。納税者は調査官の質問に必ず答えなければなりません。

警察にしょっぴかれた場合は「黙秘権」がありますが、税務調査においては「黙秘権」がなく、その意味では警察よりも税務署の方が怖いとも書いてあります。

任意調査でも「抜き打ち」で調査にくることもあります。条件付きで「抜き打ち」は認められており、あらかじめ情報があって、明らかに脱税が見込まれるものとなっています。うちの税務のお客様で抜き打ちを一度経験しましたが、そのときは税務署側の見込み違いでした。

税務署側の事情は興味深く読みました。やはりノルマはあるそうです。税務調査に行って追徴税額が出ない、指摘事項がまったくないことを「申告是認」といいます。これは調査官にとって恥そのものだそうで、著者の大村氏も2回続けて申告是認のときは、3回目の時のプレッシャーは大きかったと書いています。

税務調査のときの対応については「応対は紳士的に、かといって相手の善いなりにならない」とあります。調査官も人間ですので、あからさまに敵対的な態度に出ると、厳しい調査となります。うちの事務所でも、調査に立ち会う際には、先方は仕事で来ているので、普通に接し、聞かれたことに答えるを基本にしています。

一方、税務署は「なんでも言うことをおとなしく聞く納税者」が大好きだそうです。素直に従う納税者は、税務署からつけこまれ、必要以上に税金を課せられることもあるそうですので、気をつけましょう。

タイトルとURLをコピーしました