消費税

建設仮勘定の消費税 第178回 

元気ですか! 福岡市天神の公認会計士・税理士の山崎隆弘です。

消費税基本通達11-3-6では、「事業者が、建設工事等に係る目的物の完成前に行った当該建設工事等のための課税仕入れ等の金額について建設仮勘定として経理した場合においても、当該課税仕入れ等については、その課税仕入れ等をした日の属する課税期間において法第30条《仕入れに係る消費税額の控除》の規定が適用されるのである」と定められています。

消費税法第30条では、消費税を控除するのは、課税仕入を行った日とされ、例えば、建物建築で、設計業務が終了していれば、建物は完成していなくても、例えば設計業務について請求書を受領していれば、仕入税額は控除されます。

続けて、同通達では「当該建設仮勘定として経理した課税仕入れ等につき、当該目的物の完成した日の属する課税期間における課税仕入れ等としているときは、これを認める」と定められています。

完成した時に課税仕入していても認めるとありますので、一読すると完成時に仕入税額控除することが例外のように、読めてしまいますが、あくまでも、仕入を行った日が税額控除の時期です。完成時に課税仕入していても認めるというのは、都度、税額控除していると煩雑になるので、まとめて完成時に税額控除していても認めるという意味です。

工事請負契約では、建物の課税仕入の時期は、物件が完成し、引渡しを受けた時です。完成前に支払った手付金や中間払いの金額は、仕入税額控除の対象となりません。同様に、未成工事支出金は、役務の提供を受けた分について、支払った未成工事支出金については仕入税額控除として処理します。

ミスしないためには、「建物」勘定を課税に、「建設仮勘定」を「不課税」に設定しておいて、本勘定振替時に業者ごとに検討することになります。

 

消費税法の改正 第176回 

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消費税率10%への改正は2回延期になっています。当初は、2015年10月からの引き上げでしたが、2014年11月に、2017年4月からと1年半延期になりました。2016年6月に再び延期となり、2019年10月からと2年半延期になっています。

自民党の若手議員による「日本の未来を考える勉強会」は2018年5月1日、デフレからの完全脱却に向けた経済政策として、消費税10%への増税凍結を求める提言をしています。10%への増税については「かえって税収を縮小させ、財政を悪化させるリスクが大きい」と強調して撤回を求めています。

ただし、あと1年後近くになってきましたので、再確認です。現行では、消費税率6.3%、地方消費税率1.7%の計8%です。2019年10月1日から、まず標準税率は、消費税率7.8%、地方消費税率2.2%の10%となります。

今回の改正により、軽減税率が設けられており、地方税率6.24%、地方消費税率1.76%の計8%となります。軽減税率の対象となる品目は、飲食料品(外食、ケータリングは含まず)、新聞(週2回以上発行)です。8%と10%が混在するため、現場での混乱、記帳業務の煩雑が予想されます。

導入から5年後の2023年10月1日からは、適格請求書発行事業者から交付を受けた適格請求書及び帳簿の保存が仕入税額控除の要件となっています。

2018年10月1日~2023年9月30日までの当初5年間については、経過措置として区分記載請求書等保存方式となります。軽減税率の対象品目である旨を記載する必要があります。

消費税を上げるたびに、税収は減っています。消費税を上げると、家計、国家経済を冷え込んでしまうため、本当に施行されるのか懐疑的にならざるを得ません。

 

第138回 課税売上割合に準ずる割合

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課税期間における課税売上高が5億円を超え、または課税売上割合が100分の95に満たないことにより、個別対応方式によって計算する場合、課税売上と非課税売上に共通して要する課税仕入れ等に係る消費税については、原則、課税売上割合により計算します。

しかし、課税売上割合により計算した仕入控除税額がその事業者の事業を反映していない場合には、課税売上割合に代えて課税売上割合に準ずる割合によって仕入控除税額を計算することができます。

そのためには、「消費税課税売上割合に準ずる割合の適用承認申請書」を提出して、課税期間の末日までに税務署長の承認を受ける必要があります。税務署長の承認を受けた日の属する課税期間から適用することができます。承認審査には一定の期間を要するため、時間的余裕を持って申請書を提出しなければなりません。期末日ギリギリだと承認が間に合わないかもしれません。

特に、土地の譲渡があった場合、土地取引は非課税取引なので、課税売上割合が大幅に変わることがあります。課税売上割合を適用して仕入に係る消費税額を計算すると事業の実態を反映しないことがあり、上記の届出により課税売上割合に準ずる割合を適用することができます。

国税庁HPの質疑応答事例「たまたま土地の譲渡があった場合の課税売上割合に準ずる割合の承認」によれば、土地の譲渡が単発のものであり、かつ当該土地の譲渡がなかった際には事業の実態に変動がないと認められる場合に限り、課税売上割合に準ずる割合の承認を与えることとして差し支えないとしています。

その際に用いる課税売上割合は、前3年の課税期間の通算課税売上割合または前課税期間の課税売上割合のいづれか低い割合となります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第137回 消費税の届出関係について

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消費税の届出についてです。課税売上高が5,000万円以下の場合、簡易課税制度の適用を受ける旨の届出書を事前に提出すれば、課税売上高から仕入控除税額を控除できる簡易課税制度の適用を受けることができます。

簡易課税であれば消費税がお得であるとは限りません。あくまで計算が簡易なだけです。課税売上による仮受消費税から課税仕入からによる仮払消費税を差し引いて計算する原則課税が有利か、簡易課税が有利かを検討することになります。

検討の結果、簡易課税を選択する場合は、課税期間の期首の前日までに『消費税簡易課税制度選択届出書』を提出しなければなりません。この選択届出書は、売上高が5,000万円を超えた場合でも、取り下げない限りは生きています。そのため、売上高が5,000万円以下になった場合、2年後に簡易課税に戻ります。設備投資をして原則課税による還付を受けるつもりが、簡易課税が適用されて還付が受けれないということになりかねません。

平成元年に消費税が導入され30年ほどになります。昔、簡易課税の届出を出していなかったか、今一度、確認する必要があります。確実なのは原則課税になった時に、簡易課税の選択を取り下げておくことです。

また、免税事業者が大きな設備投資により多額な課税仕入高が計上され、還付請求を行いたいときは、前事業年度末までに『消費税課税事業者選択届出書』を提出することになります。その期限内提出を失念した場合、『消費税課税期間特例選択届出書』と必要な届出書を同時に提出することによって、ミスを最小限に食い止めることができる場合があります。

原則課税の会社が、進行中の事業年度で当期の設備投資した場合、『消費税課税期間特例選択届出書』等を提出することにより、3ヶ月特例の課税期間、または1ヶ月特例の課税期間を選択します。これは当期からの適用となりますので、例えば、上半期に3ヶ月特例の課税期間を提出すると、3ヶ月ごとの課税期間となり下半期に還付請求できる可能性があります。

 

第90回 消費税の中間納税

img_0581元気ですか! 公認会計士・税理士の山崎隆弘です。

消費税の課税期間は原則として1年ですが、場合によって中間納税の必要があります。その際には税務署から納付書が送付されてきます。送付されてきた納付書で納税すれば、中間申告したことになります。

消費税の中間納付は、直前の課税期間の確定消費税額(地方消費税は含みません)が、48万円以上の場合に必要となります。

確定消費税額が48万円超~400万円以下の場合、前期の消費税額(地方消費税を含む)の12分の6を中間納税します。3月決算会社では、9月末から2ヶ月経過した11月末が納税期限です。

確定消費税が400万円超~4,800万円以下の場合、前期の消費税額の12分の3を年に3回中間納税します。3ヶ月ごとに2ヶ月以内に納税ですので、3月決算会社では、8月末、11月末、翌年2月末が中間納税期限となります。

そして、確定消費税が4,800万円超の場合、前期の消費税額の12分の1を毎月納付することになります。年11回ですが、3月決算会社では初回は7月末に4月、5月の2ヶ月分をまとめて納税します。個人事業主の場合、1月~3月分は5月末に納税し、その後、毎月納税していくことになります。

上記に代えて、「中間申告対象期間」を一課税期間とみなして仮決算を行い、それに基づいて納付すべき消費税額及び地方消費税額を計算することもできますが、計算した税額がマイナスとなっても還付を受けることはできません。還付は年度の確定決算のときのみです。

会社の成長とともに消費税額が増額になったとき、納付洩れに注意しましょう。

第43回「消費税率が引き上げられます」

消費税アップイラスト元気ですか! 福岡の公認会計士、税理士の山崎隆弘です。

安倍首相は10月1日、現行5%の消費税率を平成26年4月1日に8%へ引き上げることを表明し、とうとう消費税の増税が決定されました。

消費税が景気に与える影響、生活に与える影響は絶大です。以前、このブログで紹介したビル・トッテンさんは『課税による略奪が日本経済を殺した 「20年デフレ」の真犯人がついにわかった!』では、消費税増税によりバブル後の失われた20年がもたらされたとしています。

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第40回「消費税増税がいよいよ迫ってきました」

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消費増税の影響を検証する集中点検会合が8月31日に終わり、安倍晋三首相は消費増税をめぐる最終判断に向けて、雇用と賃金の動向や企業の景況感を慎重に見極めるとしています。

 

世界経済的にはかなり危ない状況に陥りつつあります。リーマンショックから5年経過していますが、それを上回る金融崩壊が襲うと警鐘を鳴らしている人もいます。 続きを読む

第38回「消費税の経過措置に気をつけよう!」

消費税元気ですか! 福岡の公認会計士、税理士の山崎隆弘です。

国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事は8月1日、日本が2014年4月に予定する消費増税について「適切な短期間のうちに税率を5%から8%、10%に上げていくことを支持する」と述べたと新聞に出ていましたが、大きなお世話だと思います。

消費税が増税になれば、一時的に駆け込み需要はありますが、確実に経済に打撃を与えるでしょう。

自民党の野田毅税制調査会長は、安倍晋三首相が判断する時期に関しては「10月では難しい。9月中でないといけない」と発言しています。

消費税増税に備えて、国税庁から「平成26年4月1日以後に行われる資産の譲渡等に適用される消費税率等に関する経過措置の取扱いQ&A」が出されています。

工事の請負等の税率に関する経過措置については、指定日(平成25年10月1日)と施行日(平成26年4月1日)をよく把握しておかなければなりません。

事業者が、平成8年10月1日から指定日の前日(平成25年9月30日)までの間に締結した工事請負契約に基づき、施行日以降に当該契約に係る課税資産の譲渡等を行う場合には、当該課税資産の譲渡等については、旧税率の5%が適用されます。

指定日以後に当該契約に係る対価の額が増額された場合には、増額部分については新しい税率が適用されます。一方、減額の場合は、従来の税率のままとなります。

増額部分について新しい税率が適用される場合、資産の引渡しがあった日の税率によります。

例えば、平成27年10月1日以降に引き渡した物件については、平成25年10月1日から平成27年9月30日に増額された部分については8%ではなく、10%の税率となります。

第20回「『失われた20年』の原因は税制だった!?」

元気ですか! 福岡の公認会計士、税理士の山崎隆弘です。

先週は、確定申告疲れでブログをさぼってしまいました。
今週から毎週火曜日更新を目指して頑張ります。

さて、新刊本の『課税による略奪が日本経済を殺した 「20年デフレ」の真犯人がついにわかった!』(ビル・トッテン著 ヒカルランド刊)を、本屋さんで見つけ、興味をそそられましたので読んでみました。

まず事実からの確認です。

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第13回「今年から復興特別所得税がかかります!」

元気ですか~ 福岡の公認会計士、税理士の山崎隆弘です。

明けましておめでとうございます。本年もぞうど、よろしくお願いいたします。

東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する
特別措置法により、「復興特別所得税」及び「復興特別法人税」が新設され、
復興特別所得税は今年からの適用となります。

復興特別法人税については、平成253月期から3年間の適用です。

法人税額の10%が課税となります。