経常利益率7%の壁 第149回 

元気ですか! 福岡市天神の公認会計士・税理士の山崎隆弘です。

日頃、率の経営を目指しましょうと言っていますが、ここでの率は営業利益率、経常利益率、または税引前利益率です。

バブル前は経常利益率が10%あった上場企業も、その後長引く不況で5%前後を推移していました。

平成29年11月24日の日経新聞には、2018年3月期の上場企業の平均の経常利益率は7%を超える見込みとあります。すでに4〜9月期で7.8%に上昇しています。

有価証券報告書をみると、平成29年3月期の税引前利益率は、ソフトバンクグループ㈱8.0%、トヨタ自動車7.9%、日本電産㈱11.8%と既に7%を超えています。ソニー㈱の税引前利益率は平成29年3月期は3.8%ですが、平成29年9月中間期では8.9%と好転しています。

ソニーは世界首位の半導体センサーやゲームなどの得意分野に集中する戦略に転換したことが好結果に繋がっているとしています。ランチェスター経営の竹田陽一先生は、自分は「なに屋さん」かを決めなさいと仰ります。そこで外れていたものをいくら商売しても儲かりません。

企業の業績がいい要因として、選択と集中をしたことと、もう一つ損益分岐点が下がったことを挙げています。無駄な設備投資をせず、人件費を中心に固定費を抑制してきた結果としています。しかし、ここ最近は設備投資が大企業を中心に増えてきました。何百億単位の工場建設の話を地元福岡でも聞きます。

なぜ経常利益の額ではなく、経常利益率の率を重視するかというと、非上場企業の場合でいえば、オーナー経営者が多いため、利益額がそのまま税金の納税額につながって、利益を抑制する傾向にあります。

税金を抑えたい一心で利益を抑え、その結果、会社には何年経ってもキャッシュが残っていないということになりかねません。

中小企業といえども、7%の経常利益率を目指しましょう。

 

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