「投資」について 第239回

キャッシュを残す経営

投資というと、どうしても証券投資、不動産投資が思い浮かびます。しかし、経営者にとっての投資は、本業への投資が本来です。また最も投資効率がいいところのハズです。自分のフィールドで勝負するのが一番外れがありません。

そうは言っても、本業でお金が貯まってくると、株式などの方に目が行くようです。資金を眠らせておくのももったいないということで、つい本業以外のものに投資してしまいます。そうすると、本業で儲けて、投資で損したという笑えない結果になりかねません。

やはり本業の設備投資、人材育成に投資を回すべきです。投資をしなければ利益はとても出やすくなります。しかし、儲かっているときに設備投資、人材投資をしておかないと、将来的には事業が煮詰まってしまいます。

人材の育成にも関連しますが、後継者の育成が社長にとっては最も重要な課題です。中小企業の場合は、社員の中から次の社長を選ぶというのは難しい面があります。社員を社長に指名したところ、ベテランの社員が退職したという例もありました。

中小企業では所有と経営の分離はほぼない場合が多いので、次期社長がお子さんであれば丸く収まりやすくなります。そういう意味では、息子さん(あるいは娘さん)の教育が会社の行く末を決めるともいえます。そちらに投資を回す必要があります。これはお金をかければいいというものでもなく、日頃、どのように接するかにもかかってくるようです。

最後に、自分への投資もあります。ただ、いたずらにセミナーに参加すればいいというものでもありません。高額セミナーであっても中味は今ひとつというものも多くあります。自分に対する投資ですので、日常の時間の使い方や、お金の使い方にも依ってきます。後継者への育成と同様に、「投資=お金」ではないところが難しいところです。

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