2022年 4月 の投稿一覧

第281回 書評『ハリウッド映画の正体』

副島隆彦先生が監修、西森マリーさん著者の『カバールの民衆「洗脳」装置としてのハリウッド映画の正体』です。毎年、150本ほどの映画を観ますが、最近のハリウッド映画の質の低下というか、観終わったあとの気分の悪さを感じていました。その正体をハッキリと示してくれました。

監修の副島先生は「ハリウッド映画をエンタメとしてしか見てこなかった人たちは、ことの真相はどうだったのかを、この本と共に考えることで自分の脳を訓練しなさい」と冒頭に記しています。

ペンタゴンもCIAもハリウッドにオフィスを構えて、メジャーな映画制作会社と常に連絡を取り、「国防のため」という大義名分のもと、米軍やCIAをネガティブに描く脚本を握りつぶしています。CIAの意向に沿わない脚本は、構想の段階で潰され、CIAの承諾を受けた脚本しか映画化に至らないそうです。

FBIも同様に、ハリウッドに広報局のオフィスを構え、映画関係者に積極的に働きかけています。また、FBIはあらゆる議員、政治家、判事、検事、財界人、有名人をスパイしており、自分たちが弱みを握った人物のみの出世を許しています。弱みがないと、高い地位についたときに脅しが効かないからだそうです。

映画産業は、人々の心や文化に最も大きな影響を与えるものとして、例えばチャップリンの影響力を恐れ、ホテルの部屋に盗聴器を仕掛けていたことがMI5の文書に記されています。FBIはマリリン・モンローを監視、盗聴し、JFKと弟のロバート・ケネディの両方と関係を持っていた証拠をつかんでいました。

これらはほんの一例です。いわゆる映画史上の名画といわれるものも、不都合な史実からいかに注意を逸らさせるものであったかを、膨大な映画を例にして述べています。本当に油断もスキもあったものではありません。テレビと同様に、うっかり見ていると洗脳されてしまいます。

『月刊ヤマサキズム』2022年5月号 Vol.161

こんにちは。

公認会計士・税理士 山崎隆弘事務所の山崎二三代でございます。

令和4年5月号のニュースレター「ヤマサキズム」ができあがりました。

 

春を通り越して一気に暑くなりました。ゴールデンウイークを控えておりますが、皆様はどのような計画を立てていらっしゃいますか? 私は衣替えとガーデニングが待っています。つまり家事。そしてガーデニングというと聞こえはいいけど、要するに草取り・笑。

長いようで短いゴールデンウイークをしっかりと楽しみたいと思います。

 

さて、今月号は所長が「さいたまスーパーアリーナ」でゴロフキンVS村田諒太の世紀の一戦の観戦に行ってきた様子や、元ウクライナ駐大使の講演会の様子、久しぶりの福岡市動物園、錦帯橋、柳川など、暖かくなって少しずつ外出する機会が増えて嬉しい休日を過ごす様子です。

 

みなさまのご意見、ご感想をお待ちいたしております。

山崎二三代

 

第280回 不動産評価で路線価否定の最高裁判決

令和4年4月19日、最高裁判所第三小法廷において、不動産の相続税評価を財産評価基本通達6項に基づく鑑定評価額を採用するか否かで争われた事件について、国側の鑑定評価額を認め、納税者の上告を棄却した判決が下りました。通常、相続税の申告で、土地を評価する場合は路線価を用います。原告は路線価に基づいて申告し、申告額はゼロとなっていました。路線価に基づいて3億円で評価していた土地が、税務調査では鑑定評価額の12億円とされ、追徴課税となっていた事例です。

ここで財産評価基本通達6項とは「この通達の定めによって評価することが著しく不適当と認められる財産の価額は、国税庁長官の指示を受けて評価する」というものです。東京地裁、東京高裁ともに、この評価通達6項の適用を認め、国側の鑑定評価額を支持していたため、最高裁に上告していました。

判決では、通達評価額と鑑定評価額に大きなかい離だけをもって評価通達6項を適用するような事情があるとはいえないとしています。この事例では、相続税対策として、90代の父親が10億円の借入金をして13億円の不動産を取得しています。路線価評価額は3億円ですので、相続財産が7億円減少しており(3-10億円)、相続税額がゼロとなった節税の意図が重視されています。

通達評価額と鑑定評価額が大きくかい離しているだけでは足りず、そこに介在する被相続人などの節税意図やその行為を必要としていることが注目されます。同6項の明確な適用基準は示されませんでしたが、最高裁判決として同6項の適用を認めたことで、適用にお墨付きが与えられたとも言えます。節税対策が否定されたともいえます。

裁判官5名の全員一致の意見で、鑑定評価額の評価することを適法であると判示しました。最高裁といえども国の機関である以上、どうしても国側に有利な判断になるようです。どうも結論ありきの判決ではないかとも思えてしまいます。

第279回 税金は率で考えましょう

率の経営ということは、お客様によく言っていることです。利益を考える場合に、金額ではなく率で考えなければなりません。売上営業利益率(営業利益÷売上高)はまずは10%を目指します。上場会社では、株主、投資家に対して説明しなければなりませんので、当たり前に率で考えます。

ところが、中小企業の場合、どうしても利益の先にある税金に目が行ってしまいます。税金の金額に目が行くと、ある程度、営業利益を計上すると、決算近くになってブレーキを踏むことになりかねません。それを繰り返していると、何年経ってもお金が貯まりません。結果、会社の資金繰りが立ちゆかなくなることになりかねません。

現在の実効税率(利益に対する法人税、地方税の率)は34%です。かつてに比べると随分と低くなりました。年配の経営者の方は、税金の金額を見て安くなったね! と驚かれます。昔のかたは半分は税金という意識です。

更に資本金1億円以下の中小法人であれば、800万円以下の利益に対しては24%と低くなります。800万円を超えた部分が34%となります。ですので、決算対策そのものも、あまり必要ないのではと思います。決算対策をしてもその期は少し利益が下がっても、1年経てば先取りした経費がプラスに作用します。

保険で決算対策することも勧めていません。それよりもその期、その期で利益を計上した方が、800万円に収まれば、結果的に税金も少なくてすみます。保険で課税の繰延をして、将来に多額の利益が計上されれば800万円を超えて34%部分が多くなります。

利益が計上されたということは、言葉を変えれば儲かったということです。儲かったということは、一般的には現金がたくさん残ったということです。その残った現金から税金を4分の1払うだけです。数字を見て慌てないために、月次決算で利益を確認しておくことは必要です。できる範囲の対策は必要ですが、お金を支出して、結果的に現金を無くさないようにしましょう。利益の4分の1は税金と考えていれば済む話です。

第278回 映画『ぼけますから、よろしくお願いします。~おかえり お母さん~』

2018年の『ぼけますから、よろしくお願いします。』の続編です。信友直子監督の実のご両親のドキュメンタリーです。前半は前作のおさらいで、観たことのある映像です。監督は1961年生まれ、母親は1929年生まれで、私自身と年令構成はほぼ同じです。父親は1920年生まれで何と今年102才です。お父さんの元気良さが際立ちます。

お母さんが80代前半でアルツハイマー型認知症と診断され、だんだんと日常生活に支障をきたしてきます。お父さんは、それまでは家事はほぼしてこなかったのに、90代から家事を始めます。ホイホイと家事をこなしているように見えます。何と言っても、明るい! ギャグを飛ばしながら大変な状況に対処していきます。地元の呉市に帰ってこようかと娘は提案しますが、大丈夫と請け負います。

お母さんが脳溢血で倒れ国立病院に入院となってしまいます。ゴーゴーで徒歩1時間かけてお見舞いに行きます。往復で2時間! 95才を超えたおじーちゃんがです。男の場合、周りを見ると90才超えると痩せてくるようですが、痩せもせず肌もつやがあり、しわも目立ちません。

前作の映画の舞台挨拶にも登場します。98才ですが、シッカリと大きな声で自己紹介し、「どうぞ、娘をよろしくお願いします」とまで言います。さすがに腰は曲がっています。100才になって呉市から内閣総理大臣からの表彰状と金一封を頂き、早速、封筒を開けて、数えてビックリ! 5本の指を立てます。「また来て下さい」とつぶやきます。

コロナ禍により、見舞いにも行けなくなります。いよいよ危なくなってからは、娘さんとお見舞いに行くようになります。感謝の言葉を述べます。呆れるくらい、仲のいいご夫婦でした。

今では、監督の娘さんとZOOM配信までしています。100才を超えても元気なおじいさんです。