2021年 3月 の投稿一覧

小規模企業共済のデメリット 第255回

確定申告において「小規模企業共済等掛金控除」により掛金全額が所得控除できます。通常は会計事務所等から勧められて入るようです。うちの事務所では基本的に保険関係は一切勧めていませんので、お客様がご自身で加入した、または以前に入っていた場合のみです。

会計事務所が勧めるのは、事務所に手数料が入るからもあります。保険にしても同様です。ほとんど保険代理店のような会計事務所もあります。業界では収益の3割は保険収入とも聞いたことがあります。保険に対する考え方の違いと思いますが、うちでは本業に専念しています。

小規模企業共済だけに限れば、中小機構のHPにデメリットが載っています。共済金Aは個人事業を廃業した場合、または共済契約者が亡くなった場合に請求できます。個人事業主の場合、死ぬまで現役というのが最大のメリットではないでしょうか。その場合、死亡後でないともらえないとなれば、自分で使うことはできません。

共済金Bは老齢給付として請求できますが、65才以上で180ヶ月以上掛金を払い込んだ人が対象となります。180ヶ月ということは15年間です。貸付金として借り入れることはできますが、15年間は使用できないということです。事業をしている場合、大事なのはキャッシュが手元にあるか否かです。一旦払い込んでしまえば、自由に使えなくなりますので、私は保険は最低限としています。

掛金納付月数が20年未満で任意解約した場合は、共済金は掛金合計額を下回るとあります。加入期間が20年以上でも、途中で増額・減額した場合は下回ることがあるとなっています。であれば、貯金しておいた方がと、つい思ってしまいます。

中小機構HPの決算書をみると令和元年度の決算では、純資産が1,571億円減少しています。主な理由としてコロナウィルスによる景気悪化で信託資産が913億円減ったためとされています。

目先の節税効果だけで判断せず、長い目で加入を検討しましょう。実際にいくら減税になるかを計算すると力抜けるくらい低い金額だったりします。

『月刊ヤマサキズム』2021年4月号 Vol.148

こんにちは。

公認会計士・税理士 山崎隆弘事務所の山崎二三代でございます。

令和3年4月号のニュースレター「ヤマサキズム」ができあがりました。

 

桜が美しく咲いています。今年もお花見宴会はできませんが、昼休みに事務所の近くを散歩しながら鑑賞しています。所得税の確定申告も終わり、ちょっと余裕がでてきました。皆様のお住まいの地域はいかがでしょうか。

 

さて、今月号のニュースレターの巻頭の挨拶は本多静六さんについてです。本多さんは日本の「公園の父」と言われ、日比谷公園、明治神宮、大濠公園、湯布院など多数を設計した他、「4分の1天引き貯金」で有名です。一日1ページ原稿を書いたため、370冊を超える著書があり、東京大学教授であり、巨額の蓄財をし、資産のほとんどを教育、公共機関に寄附されたそうです。渋沢栄一さんとも交流があったそうで、幕末から明治にかけて今の日本の基礎を築いた方々に敬服いたします。

 

その他、使い捨てプラスチックの脅威、太陽光発電収入に対する増税、そして、いつもの日常のたわいもない話ですが、お時間ある時にお読みください。
みなさまのご意見、ご感想をお待ちいたしております。

山崎二三代

 

役員への社宅貸与 第254回

役員に対して社宅を貸与する場合は、役員から「賃貸料相当額」を受け取っていれば、給与として課税されません。

この「賃貸料相当額」は、小規模な住宅とそうでない場合とで計算方法が異なってきます。耐用年数が30年以下の建物では床面積が132㎡以下の住宅、法定耐用年数が30年を超える建物の場合には床面積が99㎡以下の住宅が小規模な住宅とされます。要は木造建物では132㎡以下、マンションでは99㎡以下が小規模な住宅です。

小規模な住宅の場合の「賃貸料相当額」は①~③の合計額となります。

① (建物の固定資産税の課税標準額)×0.2%

② 12円×(その建物の総床面積(坪数)

③ (土地の固定資産税の課税標準額)×0.22%

この算式で1ヶ月の家賃を計算すると、数万円程度となります。例えば、会社が家主に払う金額10万円に対して役員が負担する家賃は2万円程度です。この2万円は雑収入として計上します。差額8万円が実質の経費となります。福岡という地方都市なのでこれだけ低くなるのかと思っていましたが、東京のお客様で計算しても、同じような金額となりました。

建物・土地の課税標準額を家主に教えてもらうことが難しいと感じていましたが、賃貸人であれば、役所で「土地・家屋評価証明書」の発行が可能であり、課税標準額は判ります。マンションの場合は、1部屋のみという数字はでていませんので、全体の㎡数に対する、賃貸している部屋の㎡数の割合で算出します。

役員に貸与する社宅が小規模の住宅に該当せず、自社所有の社宅である場合には、建物の課税標準額×1%と土地の課税標準額×0.5%の合計が「賃貸料相当額」となります。ただし床面積が240㎡を超える等、「豪華住宅」である場合には、この算式の適用はなく、通常支払うべき使用料に相当する額が賃貸料相当額になります。