2019年 9月 の投稿一覧

節税保険対策通達 第219回

元気ですか! 福岡市天神の公認会計士・税理士の山崎隆弘です。

定期保険及び医療保険に係る保険料の取扱いが改正されました。令和元年6月28日付けで、長期平準定期保険等の取扱いを定める個別通達が廃止されました。新たに法人税基本通達9-3-5の2(定期保険等の保険料に相当多額の前払部分の保険料が含まれる場合の取扱い)等を新設しています。令和元年7月8日以後の契約から適用です。

全額損金可能な節税保険への対策の新通達となっています。ただし、「保険期間が3年未満の定期保険等」や「最高解約返戻率70%以下、かつ年換算保険料相当額が30万円以下の定期保険等」の保険料については、期間の経過に応じて損金算入することになります。

新設の通達9-3-5の2では、最高解約返戻率50%超の定期保険等の保険料の取扱いを次のように定めています。

まず、最高解約返戻率が50%超70%以下の場合、資産計上期間は保険期間の前半4割相当の期間となり、資産計上額は支払保険料の40%です。残額を損金算入することになります。

次に、最高解約返戻率が70%超85%以下の場合、資産計上期間は保険期間の前半4割相当の期間であり、資産計上額は支払保険料の60%となります。残額を損金算入します。

最後に、最高解約返戻率が85%超の場合、資産計上期間は、保険期間開始日から最高解約返戻率となる期間の終了日までとなり、資産計上額は支払保険料×最高解約返戻率×70%(保険期間開始日から10年経過日までの期間は90%)となります。

改正前は、解約返戻金がピークの時に解約することで、保険支払による経費を先に計上し、解約返戻金による収益を後に計上することが可能でした。それにより、一時的に節税になっていました。

そもそも、損金に算入しても、解約返戻金として戻ってきますので、単なる課税の繰延(税金支払いの先延ばし)です。従来より、保険を利用した節税はあまりお勧めしていません。

 

『月刊ヤマサキズム』2019年10月号 Vol.130

こんにちは。
公認会計士・税理士 山崎隆弘事務所の山崎二三代でございます。
令和元年10月号のニュースレターができあがりました。

ずいぶん秋らしくなってきましたね。秋は実りの季節。食欲の秋です(スポーツの秋ではありません!笑) 桃、柿、梨、ぶどう、栗、りんご、みかん。暑かった夏に疲れた体を潤す果物たちが体を元気にしてくれます。毎朝、朝食は果物なので、秋は本当に嬉しいです。

さて、今月号のニュースレターは所長は宗学院での学習の秋、若者はドライブで食欲の秋、研修を受けた勉強の秋、そして私は・・DIYの秋(?!)などについてです。

また、合わせて所長の税務ブログもご覧ください。消費税増税に伴う5%還元事業についてなど、記しています。

いつもお読みくださり、ありがとうございます。
みなさまのご意見、ご感想をお待ちいたしております。

消費税増税に伴う5%還元事業 第218回

元気ですか! 福岡市天神の公認会計士・税理士の山崎隆弘です。

令和元年10月1日からの消費税増税に伴い国のキャッシュレス・消費者還元事業が9ヶ月の限定で実施されます。2014年の5%から8%に増税したときに景気が冷え込み、結果として全体の税収が減少しました。その対応策として、中小店舗でキャッシュレスの支払いをすれば、金額5%相当分のポイントが戻ってくるのがキャッシュレス・消費税還元事業です。

うちの事務所にもいきなり大きな「5%ポイント還元」のポスターが大小5枚づつくらい送られてきてビックリしました。「あべコーヒー」店さんには、3回も同じものが送ってきたそうです。これだけの経費(税金)だけでも大変なものでしょう。

8%から10%への増税どころか、減税とさえ言えるような政策です。支払の5%相当のポイントがカード会社などから利用者に付与され、その費用を国が負担します。これに要する費用は3,000億円に膨らむ見通しだそうです。歓心をかってまでも、余程、増税したいとも言えます。

実際に、今回の消費税増税は、8%から10%への増税に留まらず、正式導入される令和5年10月1日からは、従来の益税というものがなくなります。適格請求書発行事業者からの仕入でないと、仕入税額控除が使用できません。

今回のキャッシュレス・消費者還元事業では、一般の中小・小規模事業者については、消費者に5%還元され、事業者が負担する手数料は3.25%以下となります。更に国がその3分の1を負担します。フランチャイズ等の場合は消費者への還元は2%となります。

中小・小規模事業者の定義は、サービス業の場合は、資本金5千万円以下または従業員100名以下となっています。そのため、新幹線や航空券などは、大手が経営しているため、5%の還元対象とはなりません。

 

『金融ダークサイド 元経済ヤクザが明かす「マネーと暴力」の新世界』 第217回

元気ですか! 福岡市天神の公認会計士・税理士の山崎隆弘です。

表題の本を読みました。著者はなんと五代目山口組系組織の組長だった菅原潮さんです。通称「猫組長」としてメディアにも登場しているようです。現在55才です。

高校生の頃から株取引を始め、大学入学時は1,000万円の資金を持っていて、大学の入学式に出た瞬間「大学はバカが通う場所で、頭が良ければ通う必要はない。4年間をバカと一緒に過ごすの耐えがたい」と、かなりの財を得て2年生で中退します。

時はバブル突入前夜で、証券会社での給料と、個人での不動産投資で20才そこそこで3億円を稼ぎ出します。バブル突入とともに先輩の投資顧問の会社に入ります。最年長が25才で4人の会社でしたが、120億近くを運用していたそうです。

ところが、平成元年12月で日経平均が史上最高値した後、バブルが崩壊します。それに気付くのが遅れ、仕手筋にもやられ、会社として30億円、個人的に4億円の借入金を負います。返済するなかでヤクザの金も借りていたことから、返済のため裏社会の住人となります。

経済ヤクザとして石油ビジネスに参入します。ところが、稼いだ600億円を米国に銀行ごと収奪され、マネーの後ろ盾は暴力であることを実感します。

現在は、足を洗いカタギのなっている著者による、日産のゴーン氏による事件の解説が出色です。ゴーン氏は2008年夏頃から為替スワップ取引という金融派生商品の個人資産運用を始めましたが、その年の9月のリーマン・ショックで約20億円の損失を負います。個人の負債を日産に付け替えたことが背任の出発点となります。

付け替えが当にマネーロンダリングの手法で行われたことを詳細に解説しています。実際の経験者でないととても理解できない内容となっています。やっぱり餅は餅屋ですね。