2019年 2月 の投稿一覧

所得拡大促進税制の改正 第200回 

元気ですか! 福岡市天神の公認会計士・税理士の山崎隆弘です。

所得拡大促進税制は、青色申告書を提出している中小企業者等が、一定の要件を満たした上で、前年度より給与等の支給額を増加させた場合、その増加額の一部を法人税(または所得税)から税額控除できる制度です。

平成30年4月1日以降に開始される事業年度(個人事業主については平成31年分)から は制度が大きく変更されます。今のところ、2021年3月31日までに開始される事業年度が対象となります。「通常」と「上乗せ」の2段階になっています。

「通常」の場合は、適用の要件を満たす場合、雇用者給与等支給額から比較雇用者給与等支給額を控除した金額(給与の増加)の15%を税額控除します。ただし、調整前法人税額の20%が上限となります。

適用の要件は、継続雇用者給与等支給額が継続雇用者比較給与等支給額(前年度継続雇用者給与金額)と比べて1.5%以上増加していることです。継続雇用者とは、前事業年度の期首から適用年度の期末までの期間の全ての月分の給与 等の支給を受けており、一般被保険者であった者が継続雇用者となります。

従来の所得拡大促進税制との違いは、基準年度(H24年度)の給与総額と比べて、適用年度において一定割合増加していることが廃止されました。また、平均給与等支給額が前年度以上であった要件が「継続雇用者給与等支給額が前年度比1.5%以上増加」に変更されています。

「上乗せ」は、前年度継続雇用者給与よりも2.5%増加している場合、税額控除が25%となります。「通常」と同様に、調整前法人税額の20%が上限となります。

ただし、「上乗せ」には次の二つの要件が加わります。

  • 適用年度における教育訓練費の額が前事業年度における教育訓練費の額と比 べて10%以上増加していること
  • 中小企業等経営強化法に基づく経営力向上計画の認定を受けていること。

この要件はちょっと厳しいですね。

 

 

株式等を譲渡したときの税金 第199回 

元気ですか! 福岡市天神の公認会計士・税理士の山崎隆弘です。

株式等の譲渡による譲渡所得は、「上場株式等に係る譲渡所得等の金額」と「一般株式等に係る譲渡所得等の金額」に区分し、「申告分離課税」となります。

ここで「株式等」とは、株式、持分、投資信託の受益権、特定受益証券発行信託の受益権、社債的受益権、公社債等をいい、総称して「株式等」といいます。

「上場株式等」とは「株式等」のうち、金融商品取引所に上場されている株式等、店頭売買登録銘柄として登録されている株式等をいいます。「株式等」のうち、「上場株式等」以外のものを「一般株式等」といいます。

一般株式等に係る譲渡所得の譲渡益の計算方法は次のとおりです。
総収入金額(譲渡価額)-必要経費(取得費+委託手数料等)=一般株式等に係る譲渡所得等の金額

これは上場株式等に係る譲渡所得の譲渡益の計算でも同様ですが、別々での計算となります。上場株式等に係る譲渡損失の金額を一般株式等に係る譲渡所得等の金額から控除すること及び、一般株式等に係る譲渡損失の金額を上場株式等に係る譲渡所得等の金額から控除することはできません。

税率は、上場株式等に係る譲渡所得等(譲渡益)、一般株式等に係る譲渡所得等(譲渡益)ともに、所得税15%、住民税5%の計20%となります。平成25年から2037年までは、復興特別所得税として各年分の基準所得税額の2.1%を所得税と併せて申告します。

確定申告書では「株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書」に記載することになります。

 

 

 

 

 

車を売却したときの税金 第198回 

元気ですか! 福岡市天神の公認会計士・税理士の山崎隆弘です。

確定申告、真っ最中の今日この頃です。個人の申告は法人のように会計データのみではなく、控除のハガキや株の取引報告書等の書類を寄せ集めての作業なので、抜かりがないようにしないといけません。

今年の特徴は、なぜかうちの会計事務所を税務署と間違って電話してこられる方がおられます。日に数件はかかってきます。狩生孝之さんにお願いしているリスティングの効果、または、このブログで税務上のことを記載しているからかもしれません。

手前味噌で申し訳ありませんが、調べ物をしようとしてネット検索したときに、自分のブログ記事がトップに表示されたときはビックリしました。

さて、土地や建物を売却した場合は、譲渡所得税として分離課税の申告をします。では、自家用車を売却した場合はどうなるのでしょう? 法人の場合は、固定資産売却益として法人税の対象となります。

個人の場合、家具、じゅう器、通勤用の自動車、衣服などの生活に通常必要な動産の譲渡の場合、生活用動産の譲渡による所得として、所得税は課税されません。しかし、貴金属や宝石、書画、骨とうなどで、1個又は1組の価額が30万円を超えるものの譲渡による所得は課税されることになります。

ただし、個人事業主が事業の経費として減価償却している場合は、課税の対象となります。総合課税の譲渡所得の金額は次のように計算します。

譲渡所得の金額=譲渡価額-(取得費+ 譲渡費用)-50万円

短期譲渡所得(5年以内の譲渡)の金額は全額が総合課税の対象になりますが、長期譲渡所得の金額はその2分の1が総合課税の対象になります。

車の売却で多額の利益がでることがありますので、気をつけましょう。