2018年 10月 の投稿一覧

『西郷隆盛とイルミナルティの秘密戦争』 第191回 

元気ですか! 福岡市天神の公認会計士・税理士の山崎隆弘です。

太田龍著の『西郷隆盛とイルミナルティの秘密戦争 「日本殺し」の真犯人を見つけた!』を読みました。今年はNHKの大河ドラマ「西郷どん」の年で、最初は観ていましたが、違和感を感じて、早々に観るのを止めてしまいました。

また、最近は西郷さんを貶めるような本が出版されており、首をかしげていました。父が西郷さんのファンで、隆盛の「隆」を一字もらっていることもあり、若い頃からの愛読書の一つが「西郷南州遺訓」です。

この本を読んで、最近の疑問が氷塊しました。やはり、西郷さんは偉かった!と、改めて認識しました。著者の太田龍氏(1930年〜2009年)は生前、一度講演会でお見かけしたことがあります。

2009年に亡くなっていますが、その未刊遺稿を2018年に出版したものです。太田龍氏は、いわゆる陰謀論の碩学です。今回、この本を読んでみて、知識の広さ、深さに驚かされました。日本だけではなく海外の文献にも詳しく、人類の出発点とするシュメール文明までさかのぼり、歴史、世界の情勢を解き明かしていきます。

明治維新については玉石混交の情報があります。加治将一の『あやつられた龍馬』には明治維新を「フリーメーソンが演出した革命である」との文を紹介し、この見解自体は正しいとします。ただ、加治将一氏自体がフリーメーソンであることを公表しています。同様に司馬遼太朗もフリーメーソン側からの史観であり、「西郷は腑抜けになった」との見方です。

太田氏はその見解とは真逆で、西郷さんだけは、何としてもフリーメーソンの言うことを聞かない。そこで西南戦争で西郷さんを葬ったことを、幅広い知識、思想、文献を用いて述べていきます。日本民族の代表としての西郷隆盛を解き明かしています。

 

 

 

連結納税の事例 第190回 

元気ですか! 福岡市天神の公認会計士・税理士の山崎隆弘です。

連結納税は企業グループを一体とみなして法人税を計算するものです。制度としては平成15年3月期から導入されていますが、その翌年から、事務所としては利用しています。4つの連結グループに係わってきましたが、現在は2つの連結グループの連結申告を行っています。

当初はパソコンの表計算ソフトで計算していましたが、毎年の税制改正により申告書が変わりますので、今では専用の連結納税ソフトを使用しています。

制度を使えばグループ内の利益から損失を差し引いて課税所得を圧縮できます。なので、子会社に赤字を計上しているような会社がある場合は税金の圧縮に役立ちます。土地の売却等により、臨時の巨額の損失を計上した場合にも、連結納税グループ全体の税金が減ります。

しかし、あくまでも法人税のみが連結納税になるだけで、市民税、県民税などの地方税は単体での計算です。消費税についても、単体で計算し、納税します。

そのため、税務上の繰越欠損金は、法人税の連結欠損金、法人税の連結個別帰属額、各社の事業税の繰越欠損金、各社の地方税の控除対象個別帰属額と4通りあります。

資本金1億円以下の中小会社の場合、課税所得が800万円以下までは実効税率が10%下がります。連結納税にすると連結グループ全体の課税所得で適用されますので、会社の状況を見極めて導入を検討する必要があります。

子会社間での取引が多い場合で、全体ではほぼトントンの利益でも、たまたま1社のみ利益がよく出る場合があります。連結納税をしていれば、子会社間の取引は連結の課税所得とは関係ありませんので、余計なことを考えなくてすみます。このような場合は連結納税をオススメしています。

「低炭水化物ダイエットへの警鐘」第189回 

元気ですか! 福岡市天神の公認会計士・税理士の山崎隆弘です。

T・コリン・キャンベル博士、ハワード・ジェイコブソン氏著の「The LOW-CARB FRAUD(低炭水化物ダイエットへの警鐘)」を読みました。訳者の鈴木晴恵さんは外科医師で、昨年のキャンベル博士講演会の懇親会でお会いしました。

本の第Ⅱ部では、鈴木医師がPBWF(プラントベース・ホールフーズ)より末期ガンを治療した症例が載っています。「一般的に食事療法というものは疾病予防や長期的な療養、健康維持というイメージがありますが(もちろんその効果も大きい)、PBWFは積極的な医療行為であり、かつ短期的で効果が期待できる治療方法だということがよくわかる事例です」としています。

第Ⅰ部の翻訳部分では、キャンベル博士は低炭水化物ダイエットでは、短期間で体重を減らすことはできるものの、ベーコン、ステーキ、バターなどの動物性食品が多い食事法は、減量のメリットをはるかに上回る、重篤な健康問題を引き起こすことを警鐘しています。

低炭水化物ダイエットの実態は、芝が茶色いからといって、緑のペンキで塗るようなものだと喩えます。一時的に芝は青々としますが、いずれペンキははげ、元の健康状態には何の改善もしません。

肥満のまん延と健康危機はコインの表裏であり、肥満は「病気の症状」であるとします。低炭水化物ダイエットは、一時的に肥満を解消しても副作用があります。頭痛の増加、口臭、便秘および筋肉のけいれん。これらの副作用がない他の食事法に比べて、低炭水化物食にはこれといった一貫した健康メリットが全くなく、もしくはほとんどないと断言します。

最近は、海外に行くと豊富な野菜、果物がスーパーマーケットに大きなスペースで販売されています。欧米ではガン発症率が下がっているのに対し、日本のガン発症率が増えている現状に対する警鐘といえます。