第304回 映画『Winny』

映画

松本優作の監督で、主演を東出昌大、脇を三浦貴大、吉岡秀隆、吹越満、渡辺いっけい等が固めています。実話を元にした映画です。

〈47〉のハンドルネームでWinnyを開発した金子勇氏が、著作権法違反の幇助の容疑で逮捕され、7年かかって無罪を勝ち取った事件の映画化です。金子勇氏が開発したのはファイル共有ソフトです。うちの事務所で使っているファイル交換「安心君」が思い浮かびます。Winnyが開発されたのは2002年、「2ちゃんねる」で公開すると、約200万人のユーザーにとって、大容量データの送受信が可能となりました。

映画の中で「人をナイフで殺すと殺人罪で問われるが、ナイフは罪に問えない」との譬え話が出てきます。世界的にも開発者を逮捕した例はないそうです。檀俊光弁護士(実名)が弁護を請け負います。今回の映画化でも特別協力として携わっています。この映画では全て実名が使われています。檀弁護士は三浦友和夫婦の次男の三浦貴大が演じています。

2時間超の上映時間が気にならず、見入ってしまいました。少ない上映回数にもかかわらず、客席はほぼ満席です。関心の高さが伺えます。

金子勇氏は、東出昌大が演じ、この映画のために18㎏増量し、本人の仕草から真似したそうです。金子氏の実のお姉さんは、映画を観て本人が生きていると思い、涙したそうです。金子勇氏は7年間の裁判ののち1年半後の2013年に42才の若さで、急性心筋梗塞でお亡くなりになっています。人が3年間で開発するところを2週間で開発するという天才型の開発者だったそうです。

当時の安倍晋三官房長官が会見で「情報漏えいを防ぐもっとも確実な対策は、パソコンでWinnyを使わないことです」と言っていることから国策の匂いがします。その後、YouTubeなどが拡大していきます。

映画の最後に、金子勇氏ご本人の動画が延々と写され、感銘を受けました。

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