第133回 課税売上ゼロの場合の消費税還付

元気ですか! 福岡の公認会計士・税理士の山崎隆弘です。

現在、決算している会社で、当期の課税売上はゼロとなった会社がありました。課税売上がゼロであれば、課税売上割合がゼロとなり、還付もないかと思いきや、申告書ソフトでは還付となります。

改めて確かめると、なんと課税売上がゼロであっても、個別法を採用していれば還付請求ができます。根拠となる条文は、消費税法基本通達11−2−12「課税資産の譲渡等にのみ要するものの異義」に「《個別対応方式による仕入税額控除》に規定する課税資産の譲渡等にのみ要するものとは、課税資産の譲渡等を行うためにのみ必要な課税仕入れ等をいい」、「課税期間において当該課税仕入れ等に対応する課税資産の譲渡等があったかどうかは問わないことに留意する」とあります。

課税資産の譲渡等を行うためにのみ必要な課税仕入の例として次のものが揚げられています。

(1) そのまま他に譲渡される課税資産

(2) 課税資産の製造用にのみ消費し、又は使用される原材料、容器、包紙、機械及び装置、工具、器具、備品等

(3) 課税資産に係る倉庫料、運送費、広告宣伝費、支払手数料又は支払加工賃等

ここで例示されているように、課税売上に対する課税仕入に係る消費税が対象となります。

計算式では、

①仮受消費税−②課税売上に係る仮払消費税−③課税売上・非課税売上共通の仮払消費税×課税売上割合

となります。例えば、①=0、②=100,000円、③=200,000円とすると、課税売上割合はゼロですので、

0−100,000−200,000×0=−100,000円

となり、10万円の消費税還付となります。

細かい計算で恐縮です。また、会社を設立したばかりで、課税売上はゼロで、仕入だけが発生していた場合、「消費税課税事業者届出書」を提出して、課税事業者になっていれば、還付となります。ただし、課税売上に対応する課税仕入のみが対象です。

 

 

 

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第132回 ここ最近の減価償却の改正

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減価償却資産の償却限度額の計算方法は、平成19年4月1日以後取得分から、償却可能限度額(取得価額の95%相当額)、残存価額が廃止され、残存簿価1円まで償却できるようになりました。

また、新たな定率法が導入され、定額法の償却率の原則2.5倍に設定された定率法の償却率(250%定率法)が適用されるようになっています。

残存価額がなくなったことに伴い、定額法の減価償却費の計算方法は、取得価額×0.9×償却率から取得価額×償却率に変更になっています。

更に、平成24年4月1日取得分から、250%定率法から200%定率法に変更になっています。

耐用年数8年の場合、定額法の償却率は0.125です。旧定率法の償却率0.250に対し、250%定率法は定額法の償却率0.125×2.5=0.313となります。200%定率法は0.125×2=0.250です。耐用年数8年の場合は、旧定率法の償却率と、200%定率法の償却率はたまたま一致しています。

耐用年数が8年を超えると、償却率は200%定率法の方が、旧定率法よりも償却率が低くなります。「200%定率法」というと、なんだかお得のような気がしますが、旧定率法よりも償却率は低くなります。

ただし、耐用年数が8年よりも短い場合は、200%定率法の方が、償却率は高くなります。例えば耐用年数2年の場合、定額法の償却率0.5×2=1と、償却率は1となります。1ということは、全額償却です。ただし、使用期間により月数按分しなければなりません。使用期間1ヶ月であれば12分の1です。

平成28年度税制改正により、減価償却の方法が、建物附属設備、構築物については、平成28年4月1日以後の取得については、従来の定額法または定率法から、定額法のみとなっています。

最近は、会計ソフトで減価償却費を計算しますので、あまり計算方法を意識することはありませんが、改めての確認でした。

 

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第131回 通勤手当の非課税限度額

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通勤手当の非課税限度額、すなわちこれを超えると給料と見なされ所得税の対象となる金額が、平成28年度税制改正により、給与所得者に支給する通勤手当の非課税限度額が引き上げられており、平成28年1月1日からの適用となっています。

次の3つの場合の最高限度額が10万円から15万円に引き上げられました。

  •  交通期間を利用している人に支給する通勤用定期乗車券
  •  交通機関又は有料道路を利用している人に支給する通勤手当
  •  交通機関又は有料道路を利用するほか、交通用具も使用している人に支給する通勤手当や通勤用定期乗車券

電車やバスなどの交通機関のみを利用している場合、最も経済的かつ合理的な経路及び方法で通勤した場合の通勤定期券などの金額とされ、上記のように15万円が限度額となります。この場合、グリーン料金は含まれません。

自動車や自転車などの交通用具を使用している人に支給する通勤手当は、通勤距離により別途、定められており、改正はありません。

ここで、タクシー通勤は認められるかという問題があります。営業時間が深夜や早朝などで他の交通機関の利用がなく、交通手段を持たない場合に支給するタクシー代相当額は通勤手当として、非課税限度額まで課税されないとの見解もあります。

しかし、タクシーを利用することが、運賃・時間・距離等の事情に照らして、最も経済的かつ合理的な経路及び方法の場合というのは非常に稀なことですから、通勤手当とすることはなかなか難しいでしょう。

タクシーを利用する場合は、基本的には旅費交通費として処理することになります。

 

 

 

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第130回 宿泊税の導入

元気ですか! 福岡の公認会計士・税理士の山崎隆弘です。

「宿泊税」という税金をご存知ですか? 恥ずかしながら、つい最近まで知りませんでした。大阪のホテルをチェックアウトする際に、明細に「宿泊税」とあります。フロントに尋ねると、大阪府では2017年1月1日から宿泊税が適用されているとのことです。東京都では、すでに2002年10月1日から導入されていました。

納税額は一人一泊につき、次のようになっています。

1万円未満 課税なし

1万円以上1.5万円未満 100円

1.5万円以上2万円未満 200円

2万円以上 300円(東京都は2万円以上も200円)

納入方法は、特別徴収義務者(ホテル経営者)が納税義務者である宿泊者から税金を徴収し、納入します。要はフロント精算の際に請求されます。ここでの1万円は素泊まりの料金で、食事料金などは含みません。

課税の目的は、東京都のHPでは「宿泊税は、国際都市東京の魅力を高めるとともに、観光振興のための事業、たとえば、旅行者に分かりやすい案内標識の整備、観光案内所の運営、観光情報の提供、観光プロモーションなどの経費に充てるため、東京都が独自に課税をする地方税です」とあります。

ホテルではサービス料を取られ、消費税は課税されており、更に宿泊税ということになります。ただでさえ、ホテル料金は高くなっており、休前日だったら地方のホテルでも普通に1万円を超えます。

会計処理的には、原則、消費税の非課税取引となりますが、宿泊税の名称とその額が明確に表示されていない場合は、宿泊税額分も消費税の課税対象となります(大阪府HP)。

京都府でも2018年度からの導入が検討されており、修学旅行生以外の宿泊者が課税対象となる見込みで、旅館業法の許可を取得していない無許可民泊についても対象になるようです。

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第129回 事前確定届出給与

元気ですか! 福岡市天神の公認会計士・税理士の山崎隆弘です。

役員報酬は基本、「定期同額給与」とされ毎月、同額でなければ損金として認められません。上場会社の場合は、3月決算会社の場合、6月の定時株主総会で役員を変更し、7月から役員報酬が改定となる場合が通常です。税務上は会計期間開始の日から3か月を経過する日までに継続して毎年所定の時期にされる定期給与の額の改定は、定期同額給与として認められます。

中小企業の場合は、実務上、期首から変更することが多いと思います。当期の事業計画から役員報酬をはじき出し、12等分して月額を算出します。そのため、オーナー経営者の場合、役員賞与を支給することはあまりありません。

ただし、「事前確定届出給与」の場合は、役員の賞与について損金算入が認められています。事前確定届出給与に関する定めをした場合は、原則として、次のイ又はロのうちいずれか早い日が届出期限です。

イ 株主総会、社員総会の決議によりその定めをした場合におけるその決議をした日から1か月を定期同額給与経過する日

ロ その会計期間開始の日から4か月を経過する日

 上記期限までに「事前確定届出」を税務署に提出しておけば、役員賞与も損金として認められます。ただし、夏に100万円、冬に100万円の賞与を届出しておいて、夏は100万円支払ったけれども、冬には支給できなかった場合、夏の100万円の賞与は損金として認められなくなります。少し増えても、減っても認められません。ですので、あまりお勧めはしていません。


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