『金融ダークサイド 元経済ヤクザが明かす「マネーと暴力」の新世界』 第217回

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元気ですか! 福岡市天神の公認会計士・税理士の山崎隆弘です。

表題の本を読みました。著者はなんと五代目山口組系組織の組長だった菅原潮さんです。通称「猫組長」としてメディアにも登場しているようです。現在55才です。

高校生の頃から株取引を始め、大学入学時は1,000万円の資金を持っていて、大学の入学式に出た瞬間「大学はバカが通う場所で、頭が良ければ通う必要はない。4年間をバカと一緒に過ごすの耐えがたい」と、かなりの財を得て2年生で中退します。

時はバブル突入前夜で、証券会社での給料と、個人での不動産投資で20才そこそこで3億円を稼ぎ出します。バブル突入とともに先輩の投資顧問の会社に入ります。最年長が25才で4人の会社でしたが、120億近くを運用していたそうです。

ところが、平成元年12月で日経平均が史上最高値した後、バブルが崩壊します。それに気付くのが遅れ、仕手筋にもやられ、会社として30億円、個人的に4億円の借入金を負います。返済するなかでヤクザの金も借りていたことから、返済のため裏社会の住人となります。

経済ヤクザとして石油ビジネスに参入します。ところが、稼いだ600億円を米国に銀行ごと収奪され、マネーの後ろ盾は暴力であることを実感します。

現在は、足を洗いカタギのなっている著者による、日産のゴーン氏による事件の解説が出色です。ゴーン氏は2008年夏頃から為替スワップ取引という金融派生商品の個人資産運用を始めましたが、その年の9月のリーマン・ショックで約20億円の損失を負います。個人の負債を日産に付け替えたことが背任の出発点となります。

付け替えが当にマネーロンダリングの手法で行われたことを詳細に解説しています。実際の経験者でないととても理解できない内容となっています。やっぱり餅は餅屋ですね。

 

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