会計処理

第109回 工事進行基準について

元気ですか! 福岡市の公認会計士・税理士の山崎隆弘です。

平成191227日に企業会計基準第15号として「工事契約に関する会計基準」が公表されています。

 工事契約に関して、「工事の進行途上においても、その進捗部分について成果の確実性が認められる場合には工事進行基準を適用し、この要件を満たさない場合には工事完成基準を適用する」とされています。

  成果の確実性が認められるためには、①工事収益総額、②工事原価総額、③決算日における工事進捗度の要素について、信頼性をもって見積ることができなければなりません。

 ただし、平成27430日に公表された「工事進行基準等の適用に関する監査上の取扱い」では、「工事進行基準では、一般的に会計上の見積りの不確実性の程度が大きく、会計上の見積りに関する重要な虚偽表示リスクが高くなることが多い」とされており、虚偽のリスクが高い処理となります。

 税務上では、平成20年税制改正により、①工事期間1年以上、②請負対価10億円以上、③請負対価の2分の1以上が目的物の引渡しの期日から1年を経過する日後に支払われることが定められていないこと、の全てを満たす場合に、工事進行基準が強制されます。中小企業ではほぼ関係のないレベルの話になります。

 工事完成基準の場合、決算時には未成工事支出金を計上します。しかし、事務・経理が整っていないと、未成工事支出金の計算ができません。その場合、部分完成基準として、都度、売上を計上する処理となりかねませんので、現場別の記帳と、作業日報の整備が必要です。

第103回 映画「海賊とよばれた男」

kaizoku元気ですか! 福岡市天神の公認会計士・税理士の山崎隆弘です。

映画「海賊とよばれた男」を公開初日に観てきました。原作は3年前に読んでいました。出光興産㈱の創業者である出光佐三さんがモデルです。百田尚樹原作では、「永遠のゼロ」(2013年)に引き続き、岡田准一が主演です。だんだんと貫禄が出てきています。

出光佐三さんは福岡県宗像市赤間の生れで、福岡商業高校(福翔高等学校)、神戸高商(旧制神戸商業大学)の出身です。赤間の武田鉄矢の出身校である福岡教育大学の土地は出光佐三さんにより寄付されたそうです。

原作では、「黄金の奴隷となるなかれ」「事業は金儲けではない」「従業員は家族」など、多くの示唆に富んでおり、考えさせられました。

映画では、主人公の国岡鐵造が何度も、もはやこれまでという窮地に立たされます。日本の石油業界団体、GHQ、米国の石油会社、英国海軍と、戦う相手はとてもつもなく大きなところばかりですが、正面突破していきます。日本人の誇りを感じます。

1217日の日経新聞には「出光興産は合併協議を進める昭和シェル石油の株式を年内にも取得する。企業結合審査を進める公正取引委員会が週明けにも両社の合併について正式承認を出す見通しとなったため。合併を巡っては出光昭介名誉会長ら出光の創業家が反対を続けている。出光の経営陣は創業家に協議の早期再開を呼びかける」とあります。

この映画を観ると、出光ファンになります。佐三さんの遺族が、昭和シェル石油との合併に賛成することは、なかなか厳しいと感じられます。

出光佐三さんは、博多の仙厓さんの書画のコレクターでも有名で、一度は出光美術館に行って水墨画を見てみなければいけません。

第88回 損益分岐点で必要な売上高を逆算しよう

img_0396元気ですか! 公認会計士・税理士の山崎隆弘です。

先日、お客様の会社の新人研修をさせて頂きました。損益の見方ということで、損益分岐点についてお話しました。

私にとっては、身体に染み込んでいることなので、当たり前のと思っていましたが、意外と理解するのが難しいことに気付かされました。なので、改めて損益分岐点について復習してみたいと思います。

損益分岐点を算出するためには、まず、原価・経費を変動費と固定費に分類します。変動費とは売上高に応じて変動する原価・経費です。例えば、原価では材料費・外注加工費などがあります。経費では運搬費、場合によっては広告宣伝費なども変動費になります。

売上高から変動費を差し引いたものを限界利益といいます。モノを仕入れて販売している会社の場合は、売上総利益が限界利益と同じになることがありますが、製造業の場合は、製造原価の中に人件費があります。社員の人件費は固定費ですので、売上総利益と限界利益は異なります。

限界利益を売上高で割ったものを限界利益率といいます。損益分岐点とは、損益がトントンになるところの売上高です。計算式で導く方法もありますが、固定費を回収するためにどれだけ売上高が必要かという視点で考えてみます。

例えば、限界利益率が50%で、固定費が1億円でしたら、1億円の固定費を稼ぐためには2億円(1億円÷50%)の売上高が必要です。しかし、会社を継続的に運営していくためには、トントンではなく、必要な利益を確保しなければなりません。

必要な利益を50百万円とすれば、(50+10050%=300百万円の売上が必要となります。借入金返済を含め、自社の必要な売上高を逆算してみましょう!

第87回 損益計算書を裁断して経営に生かす

IMG_0456元気ですか! 公認会計士・税理士の山崎隆弘です。

2011年に「なぜ、できる社長は損益計算書を信じないのか」を中経出版(現KADOKAWA)から出版しました。この本では、損益計算書を3つの領域で裁断して分析することを提案しています。切り方は「流通」「市場」「商品」です。これは、ピーター・F・ドラッカーが指摘する「業績をもたらす3つのチャネル」です。

2年前まで、事務所でドラッカー勉強会を5年ほど開催していました。「経営者の条件」「現代の経営」「非営利組織の経営」など10冊近くを、読破しました。3つのチャネルは「創造する経営者」に載っています。

流通の領域では「どこで売るのか?」ということで「部門別損益計算書」を使用します。市場の領域では「誰に売るのか?」ということで「得意先別損益計算書」を作ります。商品の領域では「なにを売るのか?」ということで「商品別損益計算書」を作成します。

会計上、記帳している帳簿は全社ベースとなっています。最近のパソコンの会計ソフトでは、部門別に仕訳を登録できるようになっています。部門ごとに直接把握できる直接経費は各部門ごとに記帳し、本社経費のようにどこかの部門に直接賦課できない間接経費は共通費(または本社部門)として記帳します。

その共通費を各部門ごと、または各得意先ごと、各商品ごとに按分することにより、各部門・各得意先・各商品ごとの損益を認識します。その際に、按分の際に用いる配布基準が重要となってきます。

売上高で按分する方法、作業時間で按分する方法などいろいろあります。作業時間で按分すると、より実態に近い数値になるようです。そのためには執務時間の報告・入力が必要となってきます。全社の利益のみでなく、どこの部門が貢献しているのか、どこの得意先が儲けさせてくれているのか、どの商品が稼いでいるのかを把握し、経営に生かしていきましょう!

第55回「『領収書』の印紙税の範囲が変更になります。」

領収書元気ですか! 福岡の公認会計士、税理士の山崎隆弘です。

平成26年4月1日以降に作成される「金銭又は有価証券の受取書」に係る印紙税の非課税範囲が拡大されています。

現在、「金銭又は有価証券の受取書」については、記載された受取金額が3万円未満のものが非課税とされていますが、平成 26 年4月1日以降に作成されるものについては、受取金額が5万円未満のものについて非課税となりました。

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