キャッシュを残す経営

第139回 『借りたら返すな!』

元気ですか! 福岡の公認会計士・税理士の山崎隆弘です。

大久保圭太著『借りたら返すな!いちばん得する!儲かる会社に変わるお金の借り方・残し方』(ダイヤモンド社)を今年の盆休みに読みました。

著者の略歴をみると、早稲田大学卒業後、会計事務所を経て中央青山PwCコンサルティング㈱(現みらいコンサルティング㈱)に入社し、財務アドバイザリー業務等を経験してきた税理士です。

まず「どうすれば会社を潰さずに、儲かる会社に変えることができるのか。答えはただ一つ。会社にお金があればいい、それだけです。 お金がないから会社は潰れていくのです。お金がないから十分な投資ができず、儲けることができないのです」とあります。

更に「業績が悪くなるのが分かっているのに、期日通りに銀行に返済している会社。税金を払いたくないからと、現預金を減らす無駄な節税に走る会社。大事なときに助けてくれないのに、メインバンクを大事にする会社。 全部、間違っています。会社を成長させるのに欠かせないのもまた、利益ではなく現預金です」とのことです。

タイトルは過激ですが、事務所としてお客様にキャッシュを会社に残す提案をしているので、書かれている内容にはとても共感しました。

この本を読んだ盆過ぎ以降の、会社に対するアドバイスの仕方が少し変わってきました。会社に現預金さえあれば、倒産することはありません。「銀行は晴れの日に傘を貸し、雨の日に傘を奪う」と言われます。金融機関から借りれる時に借りておくというのは、リスク対策上、大事なことです。

また、制度融資ではなく、プロバー融資をお願いするといったことや、決算書の借入金の勘定科目内訳書に金利を書くと不利に働くなど、銀行の付き合い方にも勉強になりました。

 

第136回 交際費の損金不算入

元気ですか! 福岡の公認会計士・税理士の山崎隆弘です。

交際費は、原則、税務上は損金にできませんが、平成26年4月1日以後開始事業年度から、交際費等のうち接待飲食費の額の50%相当額を損金算入できるようになっています。

ただし、中小企業の場合は、損金不算入額には次のようになります。

① 平成25年3月31日以前開始事業年度
600万円までの10%+600万円を超過する金額

② 平成25年4月1日〜平成26年3月31日に開始する事業年度
800万円を超過する金額

③ 平成26年4月1日以後に開始する事業年度
800万円を超過する金額または接待飲食による交際費の50%を超える金額

中小企業(資本金1億円以下)では、上記のように選択できるようになっています。しかし、飲食による交際費の50%が800万円を超えるということは、中小企業の規模では、ほとんど考えられません。800万円を上回るためには1,600万円の飲食をしなければなりません。交際費等のうち接待飲食費の額の50%を損金算入できる改正は、大企業のための税制とといえます。

交際費の損金算入限度額の適用は、租税特別措置法第61条の4では、平成30年3月31日までとなっています。改正時は平成28年3月31日まででしたが、延長になっています。

交際費は、会社によって全く様相が異なります。規模にかかわらず、毎月、多額の交際費を計上している会社もあれば、ほとんど全く使用しない会社もあります。決算書のうち、社長の人生観が最もよく出るものの1つが交際費です。利益が出た分を交際費を使用する会社や、利益以上に交際費を使う会社もたまにあります。そんなことをしていては、いつまで経っても、会社にキャッシュは貯まりません。

例えば、利益100万円で同額の交際費を使えば、税金はゼロかもしれませんが、キャッシュの増加もゼロです。利益100万円で税金24万円(中小企業の襟計800万円までの実効税率24%)払えば、76万円のキャッシュが増えます。キャッシュを増やす経営を目指しましょう。

 

 

第67回「キャッシュを増やす経営をしよう!」

IMG_3291上場会社ではキャッシュフロー計算書は義務づけられています。中小企業ではなかなか作成することはありません。最近は、会計ソフトでも科目設定をしっかりすれば、キャッシュフロー計算書が瞬時に出てきます。

やはり、会社の経営はキャッシュが増えてなんぼです。その判断材料にとても有用です。税金は払いたくない一心で、無駄な経費を使い、入ってきた分だけ使い切っていると、何年経ってもキャッシュは増えていきません。

キャッシュフロー計算書は

  • 営業活動によるキャッシュフロー
  • 投資活動によるキャッシュフロー
  • 財務活動によるキャッシュフロー

に区分されます。営業活動によるキャッシュフローは、まずは税引前当期純利益からスタートです。それと減価償却費です。減価償却費はキャッシュを伴わない経費ですから、利益に足してキャッシュと考えます。

銀行から借入れた場合、返済原資はこの当期利益+減価償却費になります。ですから、利益を計上しないことには借入金の返済もできません。利益を計上すれば、税金が課税されます。5,000万円借りた場合、実行税率を35%とすると、7,692万円の利益を計上しなければなりません。

投資活動によるキャッシュフローは、土地・建物などの固定資産の取得・売却、有価証券の取得・売却などです。

財務活動によるキャッシュフローは、銀行からの借入金、返済等です。

マンション投資をして、利回り10%とはいっても、キャッシュフロー的には、入ってきた家賃は、銀行返済に回ります。

特に、個人の確定申告で、「こんなにお金は残っていないのに、どうしてこれだけの税金がかかるのですか?」と聞かれることがあります。

銀行返済金は経費とはなりません。銀行返済見合い分くらい減価償却費があるとわかりやすいかもしれません。

キャッシュの金額は操作できません。キャッシュを増やす経営をしましょう。

第57回「お金を残す経営」

今月より再開しました「マネーファイト!」。

第1回は、お金を残す経営です。

収益性の高いビジネスをしている社長さんでも、

意外とお金が残っていないことが多々見受けれます。

 

ランチェスター経営の竹田陽一先生は、

決算書の純資産(自己資本)が、

経営した年数だけ貯まっていかないといけないと仰っています。

 

純資産が増えるということは、

利益剰余金が増えていくことです。

毎期、利益を計上していかなければ利益剰余金は貯まりません。

 

利益剰余金が貯まるということは、

直接的には現金・預金が貯まるということです。

一方、利益を計上すれば、

その分税金は発生します。

 

ですから、逆説的ですが、税金を払わなければお金は貯まりません。

会計帳簿を見なくても、

今年は儲かったか、損したかは、

預金通帳の残高をみれば、ある程度わかります。

 

預金残高が増えていれば儲かっているということであり、

反対に預金残が減っていれば損しているということです。

 

実際には、借入金の返済があったり、

売上を計上しても売掛金で残っていたりして、

キャッシュフロー的には一概にはいえませんが、

究極的には利益を計上するということは、

お金が増えているということです。

増えた現金から、税金を30~40%支払うことになります。

 

例えば、税額がゼロであった場合、

一見、得をしたように思えるかもしれませんが、

言葉を変えれば、要はお金が増えなかった、

またはお金が減ってしまったということです。

 

稼ぎ力のある経営者は、利益を出してお金を貯めていきます。

その増えたお金を、本業以外のものに投資をすると、

結果、お金をなくすことになります。

 

メディアではほとんど問題にしていませんが、

日経平均株価は17,427円(平成27年9月8日現在)と、

いつの間にか、2万円を大きく割っています。

 

世界経済恐慌に突入しています。

こういう時こそ、現金、現物をしっかり守っていきましょう。

 

お金を残す経営をされているソフトブレインの川原社長と田代取締役

お金を残す経営をされているソフトブレインの川原社長と田代取締役

第44回「買掛金の決算処理」

決算書元気ですか! 福岡の公認会計士、税理士の山崎隆弘です。

うちの事務所は、7月、8月決算が多く、決算の真っ只中という感じです。早速9月決算も入ってきました。

申告期限は、決算日後から2ヶ月以内ですが、事務所では1ヶ月決算・申告を目指しています。

毎月、計画と実績のフォローをしている会社では、決算に2ヶ月も要していたら、次の期がスタートして3ヶ月後に見ることになりかねません。

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