2018年 7月 の投稿一覧

「シュードッグ」 第179回

元気ですか! 福岡市天神の公認会計士・税理士の山崎隆弘です。

祇園「ない藤」からの紹介で、「SHOE DOG(シュードッグ)」を読みました。

ナイキの創業者であるフィル・ナイトさんの自伝です。シュードッグとは「靴の製造、販売、購入、デザインなどすべてに身を捧げる人間のことだ。靴の商売に長く関わり懸命に身を捧げ、靴以外のことは何も考えず何も話さない。そんな人間同士が、互いにそう呼び合っている」とあります。

まさに、「ない藤」では、新しいスタイルのサンダル「JOJO(ジョジョ)」を開発、販売しています。童謡の「赤い鼻緒のじょじょはいて」から命名しています。

本の後書きには、「私は長年借金を背負ってきた。若くして起業した頃、毎日寝ても覚めても頭に浮かぶのは、大勢の人たちから借りたとても払いきれない額の借金だった」と記しています。

起業した1962年から1980年のお話です。本人の年令では24才から42才までが中心となっています。現在は80才です。2016年までナイキの会長を務めています。個人的には、成功してからの方に興味があります。

大学を卒業し、MBA(経営学修士号)取得後、24才で故郷に戻ってきます。それから世界一周旅行をし、日本を訪れた際にはオニツカタイガーに行き、プレゼンをして日本の靴メーカーの代理店となります。真珠湾攻撃をした国に行くことには、かなり抵抗があったそうです。

内藤さん的には、履き物という点でも、名前まで同じ(ナイト)なので、一気に読了したそうです。

私も、ナイトさんが生活の安定のために会計士になって、プライハウスウォーターで勤務していたという点では共通です。

昨年、ドラマ化された役所広司主演の「陸王」(池井戸潤原作)では、足袋の会社がシューズを開発します。まさにシュードッグの話です。

大成功を収め、毎年一億ドル(112億円!)を寄付するようになった現在、思うのは後悔で、「正直言って最初からやり直したい気分」というのは、一般人の私には分からない感覚かもしれません。

建設仮勘定の消費税 第178回 

元気ですか! 福岡市天神の公認会計士・税理士の山崎隆弘です。

消費税基本通達11-3-6では、「事業者が、建設工事等に係る目的物の完成前に行った当該建設工事等のための課税仕入れ等の金額について建設仮勘定として経理した場合においても、当該課税仕入れ等については、その課税仕入れ等をした日の属する課税期間において法第30条《仕入れに係る消費税額の控除》の規定が適用されるのである」と定められています。

消費税法第30条では、消費税を控除するのは、課税仕入を行った日とされ、例えば、建物建築で、設計業務が終了していれば、建物は完成していなくても、例えば設計業務について請求書を受領していれば、仕入税額は控除されます。

続けて、同通達では「当該建設仮勘定として経理した課税仕入れ等につき、当該目的物の完成した日の属する課税期間における課税仕入れ等としているときは、これを認める」と定められています。

完成した時に課税仕入していても認めるとありますので、一読すると完成時に仕入税額控除することが例外のように、読めてしまいますが、あくまでも、仕入を行った日が税額控除の時期です。完成時に課税仕入していても認めるというのは、都度、税額控除していると煩雑になるので、まとめて完成時に税額控除していても認めるという意味です。

工事請負契約では、建物の課税仕入の時期は、物件が完成し、引渡しを受けた時です。完成前に支払った手付金や中間払いの金額は、仕入税額控除の対象となりません。同様に、未成工事支出金は、役務の提供を受けた分について、支払った未成工事支出金については仕入税額控除として処理します。

ミスしないためには、「建物」勘定を課税に、「建設仮勘定」を「不課税」に設定しておいて、本勘定振替時に業者ごとに検討することになります。

 

相続時精算課税制度と事業承継税制の併用 第177回 

元気ですか! 福岡市天神の公認会計士・税理士の山崎隆弘です。

事業承継税制の「特例」が平成30年度税制改正により、平成30年1月1日から適用されています。

昨年の平成29年度税制改正では、少しでも事業承継税制を使いやすいようにとの趣旨で、相続時精算課税制度との併用が認められています。

これは贈与税の納税猶予の適用を受けても、認定が取り消された場合に高額の贈与税負担が発生するリスクが存在するため、相続時精算課税制度との併用を認めたものです。

中小企業庁の資料では、株価総額3億円の会社の3分の2(2億円)を贈与した場合の例を挙げています。通常の相続で自社株を取得した場合、4,860万円の納税になります。これを事業承継税制を利用し、3分の2を贈与し、贈与税の納税が猶予猶予されます。

ただし、事業承継税制」の認定が取り消された場合、贈与税が課税されます。これが約1億300万円となります。既に贈与されているので、相続税はゼロとなります。

1億300万円-4,860万円=5,440万円多く納税することになるリスクを避けるために、相続時精算課税制度を併用します。その場合、一旦は、贈与税を納税しますが、この場合でも、2,500万円が特別控除され、贈与税率は20%で計算するため、贈与税額は3,500万円となります。相続時に精算しますので、残りの1,360万円を相続税として納税します。

このような差異が生じるのは、贈与税は基礎控除額を加味すると、5,140万円超で最高税率55%が適用されるためです。また、相続税の場合は、基礎控除額が3,000万円あり、法定相続人一人当たり600万円の控除があります。

ただし、相続時精算課税制度は、贈与者は60才以上、受贈者は20才以上が適用対象者とされています。

 

 

 

消費税法の改正 第176回 

元気ですか! 福岡市天神の公認会計士・税理士の山崎隆弘です。

消費税率10%への改正は2回延期になっています。当初は、2015年10月からの引き上げでしたが、2014年11月に、2017年4月からと1年半延期になりました。2016年6月に再び延期となり、2019年10月からと2年半延期になっています。

自民党の若手議員による「日本の未来を考える勉強会」は2018年5月1日、デフレからの完全脱却に向けた経済政策として、消費税10%への増税凍結を求める提言をしています。10%への増税については「かえって税収を縮小させ、財政を悪化させるリスクが大きい」と強調して撤回を求めています。

ただし、あと1年後近くになってきましたので、再確認です。現行では、消費税率6.3%、地方消費税率1.7%の計8%です。2019年10月1日から、まず標準税率は、消費税率7.8%、地方消費税率2.2%の10%となります。

今回の改正により、軽減税率が設けられており、地方税率6.24%、地方消費税率1.76%の計8%となります。軽減税率の対象となる品目は、飲食料品(外食、ケータリングは含まず)、新聞(週2回以上発行)です。8%と10%が混在するため、現場での混乱、記帳業務の煩雑が予想されます。

導入から5年後の2023年10月1日からは、適格請求書発行事業者から交付を受けた適格請求書及び帳簿の保存が仕入税額控除の要件となっています。

2018年10月1日~2023年9月30日までの当初5年間については、経過措置として区分記載請求書等保存方式となります。軽減税率の対象品目である旨を記載する必要があります。

消費税を上げるたびに、税収は減っています。消費税を上げると、家計、国家経済を冷え込んでしまうため、本当に施行されるのか懐疑的にならざるを得ません。