2017年 9月 の投稿一覧

第140回 損益分岐点グラフ

元気ですか! 福岡の公認会計士・税理士の山崎隆弘です。

損益分岐点については、第88回「損益分岐点で必要な売上高を逆算しよう」で、固定費を限界利益率で割って、損益分岐点売上を算出しました。

お客様から、いろいろとシミュレーションして、グラフで見たいというご要望がありました。会計ソフトとの弥生会計では損益分岐点グラフは付いていますが、そのためだけに弥生会計を購入する必要はありません。

ネット上には、いろいろな損益分岐点ソフトがフリーで出ています。Kindle版で「30秒で損益分岐点グラフを作る」(寺田裕司著)が電子出版されており、テンプレートをダウンロードして使ってみました。Kindle価格で260円ですが、Kindle unlimitedでは0円です。

この損益分岐点グラフでは、変動費率、固定費、売上高を入力すると、損益分岐点を計算し、グラフが更新されます。それが右の図です。

グラフでは、売上高98,000に対して、損益分岐点が66,538となっています。売上高が損益分岐点に到達するまでは、固定費と変動費の総費用が売上高を上回っていますので損失です。

損益分岐点66,538を超えると総費用を上回るので、利益に転じます。必要利益を入力すると、必要売上高が表示される設定になっています。必要利益は、銀行返済額、目標利益などになります。

また、このグラフでは、二つのデータを同時に表示できるようになっています。その場合、予算と実績を対比することもできますし、前期と当期を対比することもできます。いろいろと利用できそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

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第139回 『借りたら返すな!』

元気ですか! 福岡の公認会計士・税理士の山崎隆弘です。

大久保圭太著『借りたら返すな!いちばん得する!儲かる会社に変わるお金の借り方・残し方』(ダイヤモンド社)を今年の盆休みに読みました。

著者の略歴をみると、早稲田大学卒業後、会計事務所を経て中央青山PwCコンサルティング㈱(現みらいコンサルティング㈱)に入社し、財務アドバイザリー業務等を経験してきた税理士です。

まず「どうすれば会社を潰さずに、儲かる会社に変えることができるのか。答えはただ一つ。会社にお金があればいい、それだけです。 お金がないから会社は潰れていくのです。お金がないから十分な投資ができず、儲けることができないのです」とあります。

更に「業績が悪くなるのが分かっているのに、期日通りに銀行に返済している会社。税金を払いたくないからと、現預金を減らす無駄な節税に走る会社。大事なときに助けてくれないのに、メインバンクを大事にする会社。 全部、間違っています。会社を成長させるのに欠かせないのもまた、利益ではなく現預金です」とのことです。

タイトルは過激ですが、事務所としてお客様にキャッシュを会社に残す提案をしているので、書かれている内容にはとても共感しました。

この本を読んだ盆過ぎ以降の、会社に対するアドバイスの仕方が少し変わってきました。会社に現預金さえあれば、倒産することはありません。「銀行は晴れの日に傘を貸し、雨の日に傘を奪う」と言われます。金融機関から借りれる時に借りておくというのは、リスク対策上、大事なことです。

また、制度融資ではなく、プロバー融資をお願いするといったことや、決算書の借入金の勘定科目内訳書に金利を書くと不利に働くなど、銀行の付き合い方にも勉強になりました。

 

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第138回 課税売上割合に準ずる割合

元気ですか! 福岡の公認会計士・税理士の山崎隆弘です。

課税期間における課税売上高が5億円を超え、または課税売上割合が100分の95に満たないことにより、個別対応方式によって計算する場合、課税売上と非課税売上に共通して要する課税仕入れ等に係る消費税については、原則、課税売上割合により計算します。

しかし、課税売上割合により計算した仕入控除税額がその事業者の事業を反映していない場合には、課税売上割合に代えて課税売上割合に準ずる割合によって仕入控除税額を計算することができます。

そのためには、「消費税課税売上割合に準ずる割合の適用承認申請書」を提出して、課税期間の末日までに税務署長の承認を受ける必要があります。税務署長の承認を受けた日の属する課税期間から適用することができます。承認審査には一定の期間を要するため、時間的余裕を持って申請書を提出しなければなりません。期末日ギリギリだと承認が間に合わないかもしれません。

特に、土地の譲渡があった場合、土地取引は非課税取引なので、課税売上割合が大幅に変わることがあります。課税売上割合を適用して仕入に係る消費税額を計算すると事業の実態を反映しないことがあり、上記の届出により課税売上割合に準ずる割合を適用することができます。

国税庁HPの質疑応答事例「たまたま土地の譲渡があった場合の課税売上割合に準ずる割合の承認」によれば、土地の譲渡が単発のものであり、かつ当該土地の譲渡がなかった際には事業の実態に変動がないと認められる場合に限り、課税売上割合に準ずる割合の承認を与えることとして差し支えないとしています。

その際に用いる課税売上割合は、前3年の課税期間の通算課税売上割合または前課税期間の課税売上割合のいづれか低い割合となります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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第137回 消費税の届出関係について

元気ですか! 福岡の公認会計士・税理士の山崎隆弘です。

消費税の届出についてです。課税売上高が5,000万円以下の場合、簡易課税制度の適用を受ける旨の届出書を事前に提出すれば、課税売上高から仕入控除税額を控除できる簡易課税制度の適用を受けることができます。

簡易課税であれば消費税がお得であるとは限りません。あくまで計算が簡易なだけです。課税売上による仮受消費税から課税仕入からによる仮払消費税を差し引いて計算する原則課税が有利か、簡易課税が有利かを検討することになります。

検討の結果、簡易課税を選択する場合は、課税期間の期首の前日までに『消費税簡易課税制度選択届出書』を提出しなければなりません。この選択届出書は、売上高が5,000万円を超えた場合でも、取り下げない限りは生きています。そのため、売上高が5,000万円以下になった場合、2年後に簡易課税に戻ります。設備投資をして原則課税による還付を受けるつもりが、簡易課税が適用されて還付が受けれないということになりかねません。

平成元年に消費税が導入され30年ほどになります。昔、簡易課税の届出を出していなかったか、今一度、確認する必要があります。確実なのは原則課税になった時に、簡易課税の選択を取り下げておくことです。

また、免税事業者が大きな設備投資により多額な課税仕入高が計上され、還付請求を行いたいときは、前事業年度末までに『消費税課税事業者選択届出書』を提出することになります。その期限内提出を失念した場合、『消費税課税期間特例選択届出書』と必要な届出書を同時に提出することによって、ミスを最小限に食い止めることができる場合があります。

原則課税の会社が、進行中の事業年度で当期の設備投資した場合、『消費税課税期間特例選択届出書』等を提出することにより、3ヶ月特例の課税期間、または1ヶ月特例の課税期間を選択します。これは当期からの適用となりますので、例えば、上半期に3ヶ月特例の課税期間を提出すると、3ヶ月ごとの課税期間となり下半期に還付請求できる可能性があります。

 

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第136回 交際費の損金不算入

元気ですか! 福岡の公認会計士・税理士の山崎隆弘です。

交際費は、原則、税務上は損金にできませんが、平成26年4月1日以後開始事業年度から、交際費等のうち接待飲食費の額の50%相当額を損金算入できるようになっています。

ただし、中小企業の場合は、損金不算入額には次のようになります。

① 平成25年3月31日以前開始事業年度
600万円までの10%+600万円を超過する金額

② 平成25年4月1日〜平成26年3月31日に開始する事業年度
800万円を超過する金額

③ 平成26年4月1日以後に開始する事業年度
800万円を超過する金額または接待飲食による交際費の50%を超える金額

中小企業(資本金1億円以下)では、上記のように選択できるようになっています。しかし、飲食による交際費の50%が800万円を超えるということは、中小企業の規模では、ほとんど考えられません。800万円を上回るためには1,600万円の飲食をしなければなりません。交際費等のうち接待飲食費の額の50%を損金算入できる改正は、大企業のための税制とといえます。

交際費の損金算入限度額の適用は、租税特別措置法第61条の4では、平成30年3月31日までとなっています。改正時は平成28年3月31日まででしたが、延長になっています。

交際費は、会社によって全く様相が異なります。規模にかかわらず、毎月、多額の交際費を計上している会社もあれば、ほとんど全く使用しない会社もあります。決算書のうち、社長の人生観が最もよく出るものの1つが交際費です。利益が出た分を交際費を使用する会社や、利益以上に交際費を使う会社もたまにあります。そんなことをしていては、いつまで経っても、会社にキャッシュは貯まりません。

例えば、利益100万円で同額の交際費を使えば、税金はゼロかもしれませんが、キャッシュの増加もゼロです。利益100万円で税金24万円(中小企業の襟計800万円までの実効税率24%)払えば、76万円のキャッシュが増えます。キャッシュを増やす経営を目指しましょう。

 

 

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