2017年 3月 の投稿一覧

第115回 源泉所得税について

元気ですか! 公認会計士・税理士の山崎隆弘です。

やっと確定申告が終わって一息ついているとこです。今年の確定申告シーズンは、税務調査が重なって大変でした。これまでは2月は税務署も忙しいので、この季節に税務調査はありませんでした。今回はそれも数社重なってしまいました。

調査官にお聞きすると、年間に調査に行く件数が増えたそうで、赤字法人であっても、書面添付していても税務調査がありました。繰越欠損金がある場合は、法人税・地方税の納税には直接影響しません(繰越欠損金は減りますが)。しかし、消費税、源泉所得税は赤字であっても関係ありません。最近は源泉所得税を厳しくみる傾向にあるようです。

社員を表彰する場合に、商品券、クオカードなどを渡すことがあります。その場合でも源泉しなければなりません。そのまま渡したいという相談を受けることがありますが、商品券分も給与明細に入れて、源泉する必要があります。個人々々で計算するとそれほど多額にもなりません。

また、個人的な支出を経費に計上していた場合、給与とみなされることがあります。中小企業でオーナー経営の場合、注意しなければなりません。事業と関係のない経費とみなされると役員賞与となります。社長の場合は、従業員よりも多くの報酬をもらっていることが多いので、その際の源泉所得税は高額になりかねません。税務調査で指摘されれば、一旦は源泉所得税を会社から支払うこととなります。

外注先への支払いでは、相手が法人であれば源泉の必要はありませんが、個人であれば所得税法20418に該当すれば源泉徴収しなければなりません。調査では先方が確定申告しているかどうかも確認します。


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第114回 退職金をもらったときの確定申告

元気ですか! 福岡市の公認会計士・税理士の山崎隆弘です。

今日315日は確定申告の期限日です。退職金所得について確認しておきましょう。退職金所得は分離課税です。退職する人から「退職所得の受給に関する申告書」の提出を受けているか否かで取扱いがかなり異なってきます。実務的には、退職する人に書いてもらい、会社に保管しておく必要があります。

「退職所得の受給に関する申告書」の提出を受けている場合、退職所得は次の計算方法で算出して源泉徴収します。

(退職金-退職所得控除額)×12=退職所得の金額

退職所得控除額は、勤続年数が20年以下のときは1年当たり40万円、20年超からは1年当たり70万円となります。ただし、「退職所得の受給に関する申告書」がない場合は、退職金に20.42%の税率を乗して計算した金額を源泉徴収しなければなりません。

例えば、2,500百万円の退職金では、勤続年数を30年とすると、「退職所得の受給に関する申告書」があれば572,500円の源泉徴収となりますが、不備の場合は5,105,000円の源泉徴収額と多額になります。最近の税務調査では源泉徴収額を厳しく見られますので、会社側で一旦、これを支払うとなったら大変です。

退職金を受け取った個人からいえば、一律20.42%の源泉徴収を引かれている場合は、確定申告すれば、他の所得がないとすると差額の4,532,500円が還付となります。

役員等の勤続年数が5年以下である場合、平成25年分以後は退職金の額から退職所得控除額を差し引いた額が退職所得の金額になり、計算式の1/2計算の適用はありません。

「退職所得の受給に関する申告書」により源泉徴収を受けていても、確定申告の控除額が残っていれば還付になることがありますので、今一度、計算してみましょう。


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第113回 給与所得控除の減少

元気ですか! 福岡市の公認会計士・税理士の山崎隆弘です。

確定申告もいよいよゴールが見えてきました。疲れがピークのところです。お客様に、今回の確定申告の説明をしているところです。

そこで改めて思うのは、給与所得控除が減ってきたということです。例えば、昨年と同じ給与収入の場合、給与所得も同じになると思って説明しています。しかし、同じ給与収入にもかかわらず、給与所得は今回の平成28年度の方が多くなっています。

不思議に思って確認すると、ここ数年、給与所得控除は減ってきています。判りやすくするために給与収入を1600万円とすると、給与所得控除は平成24年度260万円、平成2527年度245万円、現在申告中の平成28年度は230万円、来年申告の平成29年度は220万円と年々減少しています。

逆に、法人税の方はここ数年、税率は低下してきています。地方税を含めた実行税率は、かつては40%ありましたが、現在は約34%になっています。東北大震災による復興特別法人税は平成26年税制改正により、平成263月期までで1年前倒しで廃止になっています。

それに対して所得税は、上記のような給与所得控除の減少、平成27年度からは最高所得税率が40%から45%へ上昇と増税の傾向です。復興特別所得税は平成49年度まで続きます。税率は所得税の2.1%です。

給与の源泉徴収税額表は毎年改訂され、こちらも少しづつ源泉徴収税額が増加しています。法人に優しく、個人に厳しい税制改正のようです。そのため、法人の配当率は高くなり、対して個人の可処分所得は減る傾向にあります。


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第112回 確定申告の所得控除の順序

元気ですか! 福岡市の公認会計士・税理士の山崎隆弘です。

確定申告たけなわのシーズンです。確定申告書の第一表の所得金額に表示されている、事業所得、不動産所得、利子所得、配当所得、給与所得、雑所得、総合譲渡所得、一時所得は総合課税の対象となるものです。このうち、配当所得は、総合課税、分離課税の選択が認められています。

一方、分離課税として不動産譲渡所得、配当所得(分離課税選択)、株式の譲渡所得、先物取引の雑所得、山林所得、退職所得等があります。分離所得だからと思って、例えば配当所得を確定申告書に載せなかった場合、受けられる還付金が受けれないことがあるので注意が必要です。

所得控除のうち雑損控除だけは、他の諸控除と区分して最初に所得金額から差し引きます。これは、生活用・業務用資産について災害・盗難等の損害を受けた雑損控除の金額だけは、所得金額から引ききれない金額を雑損失の控除不足額として翌年以降の所得計算の際に差し引くことが認められていることによります。その場合、純損失(所得金額のマイナス)と同様に、損失申告用の第四表で3年間繰り越します。

総合課税の所得金額から控除金額を差し引き、引き切れない控除が残った場合、分離課税の所得から差し引きます。なので、例えば100万円の控除額が残った場合、他に分離課税の所得が120万円あれば、差し引いて20万円の分離課税所得となります。

特定口座の源泉ありを選択していれば、すでに源泉徴収されているということで、確定申告は不要となっています。しかし、引き切れない控除があれば、源泉徴収された所得税が還付となります。特に配当金の場合は、総合課税を選択すれば配当控除(配当金額の10%税額控除)が受けれますので、還付となるケースは珍しくありません。今一度、確定申告書を見直してみましょう。


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