2017年 2月 の投稿一覧

第111回 平成28年からの金融商品税制改正

元気ですか! 福岡市の公認会計士・税理士の山崎隆弘です。

平成2811日から金融・証券税制が改正になっています。今年の確定申告から適用となります。まさに現在、確定申告作業中ですので、気をつけましょう。

まず「株式等」「上場株式等」の定義が大きく変わり、それに伴って課税方式が変わっています。「株式等」は「上場株式等」と「一般株式等」に分類されます。「一般株式等」は上場株式等に該当しないものとされ、非上場株式はこちらに入ります。

「上場株式等」には、上場株式、株式投資信託、REIT(不動産投資信託)、ETF(上場投資信託)に、平成28年から債券、公社債投資信託を加わり、これらも含めて特定口座の対象となっています。

平成27年までは、上場株式、株式投資信託、REITETFの譲渡損益、配当金は損益通算、繰越控除ができていました。平成28年からは、これに債券、公社債投資信託も含め、譲渡損益、配当金、収益分配金が損益通算できるようになっています。

ただし、一般株式等は、譲渡損益同士の損益通算はできますが、譲渡損益と利子・配当・収益分配金等間での損益通算はできません。さらに上場株式等と一般株式等の間での損益通算はできず、上場株式等の損失は繰越控除できますが一般株式等の損失は繰越控除できません。

平成28年からは、債券と公社債投資信託の税金が申告分離課税となり、非課税だった売却益も課税されるようになっています。私募債の利息について、従来は分離課税だったものが総合課税となっています。

上場株式等の配当金は分離課税と総合課税の選択ができます。特定口座で源泉徴収ありにしていれば、申告不要となっていますが、総合課税にすると配当控除が使用できるので、意外と総合課税の方がお得の場合があります。申告の際には、分離課税、総合課税の両方で計算してみる必要があります。

第110回 映画「スノーデン」

元気ですか! 福岡市の公認会計士・税理士の山崎隆弘です。

オリバー・ストーン監督、ジョセフ・ゴードン=レヴィット主演の「スノーデン」をソラリアシネマで観ました。オリバー・ストーンといえば、「プラトーン」「74日に生まれて」でアカデミー監督賞を2度受賞し、ケネディ大統領暗殺の真相に迫った「JFK」では、関係者が多く死亡している事実と、それが天文学的な確率であることを明かしたラストが印象的でした。

映画は、NSA(米国国家安全保障局)職員のスノーデンが香港のホテルでジャーナリストに大量の最高機密情報を渡し、カメラに向かって証言するところから始まります。201363日の話ですので、わずか4年前です。

スノーデンは9.11同時多発テロをきっかけに、国家の役に立ちたいと当初は特殊部隊に入隊します。訓練中に足に大けがを負い、除隊して、次にCIAに入ります。優秀な頭脳を発揮して、CIAのプログラマーとして活躍します。

だんだんと、情報機関のあり方に疑問を持ってきます。全国民のメール、Facebook等のSNS、携帯電話の会話などなど全ての情報を収集し、分析しています。またどんな内容を書き込んでいるかは、オープンにしていない書き込みでも検索の対象となっています。

恐ろしいと思ったのは、パソコンの画面の上にカメラのレンズがありますが、なんと、パソコンを起動していなくても、PC前の様子を見ることができるということです。

少しネタバレになりますが、最後はスノーデン本人(32才)が登場します。ストーン監督がロシアで撮影しました。ネットの情報では、エドワード・スノーデンはオサマ・ビンラディンがバハマで生存しており、CIAの庇護下にあると暴露しています。

米NBCテレビは210日、亡命先のロシア当局が米国への身柄引き渡しを検討しているもようだと報じています。

トランプ大統領は大統領選のテレビ討論会で、「スノーデンはスパイであり、(ロシアは)アメリカ本国に彼を送還する必要がある」と述べていましたが、さてどうなるでしょう?

第109回 工事進行基準について

元気ですか! 福岡市の公認会計士・税理士の山崎隆弘です。

平成191227日に企業会計基準第15号として「工事契約に関する会計基準」が公表されています。

 工事契約に関して、「工事の進行途上においても、その進捗部分について成果の確実性が認められる場合には工事進行基準を適用し、この要件を満たさない場合には工事完成基準を適用する」とされています。

  成果の確実性が認められるためには、①工事収益総額、②工事原価総額、③決算日における工事進捗度の要素について、信頼性をもって見積ることができなければなりません。

 ただし、平成27430日に公表された「工事進行基準等の適用に関する監査上の取扱い」では、「工事進行基準では、一般的に会計上の見積りの不確実性の程度が大きく、会計上の見積りに関する重要な虚偽表示リスクが高くなることが多い」とされており、虚偽のリスクが高い処理となります。

 税務上では、平成20年税制改正により、①工事期間1年以上、②請負対価10億円以上、③請負対価の2分の1以上が目的物の引渡しの期日から1年を経過する日後に支払われることが定められていないこと、の全てを満たす場合に、工事進行基準が強制されます。中小企業ではほぼ関係のないレベルの話になります。

 工事完成基準の場合、決算時には未成工事支出金を計上します。しかし、事務・経理が整っていないと、未成工事支出金の計算ができません。その場合、部分完成基準として、都度、売上を計上する処理となりかねませんので、現場別の記帳と、作業日報の整備が必要です。

第108回 消費税の簡易課税制度の改正

元気ですか! 福岡市の公認会計士・税理士の山崎隆弘です。

消費税の納付税額は、原則として課税売上げ等に係る消費税額から課税仕入れ等に係る消費税額を差し引いて計算します。

しかし、課税売上高が5,000万円以下で、簡易課税制度の適用を受ける旨の届出書を事前に提出している場合は、課税売上高から納税額を計算できる簡易課税制度の適用を受けることができます。

仕入控除税額を課税売上高に対する税額の一定割合とするというものです。この一定割合をみなし仕入率といい、事業の種類ごとにみなし仕入率が異なります。売上を卸売業、小売業、製造業等、サービス業等、不動産業及びその他の事業の6つに区分し、それぞれの区分ごとのみなし仕入率を適用します。

平成2741日以後に開始する課税期間から、簡易課税制度のみなし仕入れ率について、従来の第四種事業のうち、金融業及び保険業を第五種事業とし、そのみなし仕入率を50%(従前60%)に、従来の第五種事業のうち、不動産業を第六種事業とし、そのみなし仕入率を40%(従前50%)に改正されています。

個人事業主では、特に不動産業は珍しくありません。みなし仕入率が50%から40%に変更になったということは、控除額が減ったということですから、納税額を増える結果となります。

また、2種類以上の事業を営む事業者で、1種類の事業の課税売上高が全体の課税売上高の75%以上を占める場合には、その事業のみなし仕入率を全体の課税売上げに対して適用することができます。卸売業、小売業の場合は、みなし仕入率が90%、80%ですので、これらの事業が75%以上であれば少ない消費税額になります。

逆に、不動産業が75%以上であれば多めの消費税となってしまいます。売上高が5,000万円以下の場合、原則と簡易とどちらが有利か、翌期が始まるまえに、よく検討しましょう。